2015 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待の発生予防をめざした産科医療機関の看護職者に対する教育プログラムの開発
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15K11680
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
唐田 順子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 教授 (60440012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10300922)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 児童虐待 / 発生予防 / 教育プログラム / 産科医療機関 / 助産師・看護師 / 気になる親子 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は乳幼児虐待の発生予防をめざした教育プログラムの開発のため、妊娠期から保健・医療・福祉の連携による事業を展開している大分県の「ペリネイタルビジット」の活動を訪問調査した。 ペリネイタッルビジットは、産婦人科に通院する妊産婦に対し、産婦人科医師が希望の小児科を紹介し、妊娠期からの育児不安を軽減し子育てのスタートを安心して切ることができる事業である。実際に小児科を訪れ、子育て相談が実施される場面を見学させていただいた。妊娠期に生まれてくる子どもの利用する小児科病院を実際見学することができ、小児科医・看護師から説明を受けることで、信頼関係が築け、安心が生まれていた。なによりも、地域で「親子を見守っている、応援している」というメッセージが発信され、妊婦は心強く感じることだろうと察した。そのようなペリネイタルビジット事業を展開する中で、産科医師・看護職者、小児科医師・看護職者はスクリーニングする視点をもち、親子を見守っている。 ペリネイタルビジット専門部会は月1回開催され、産科医や助産師、小児科医がなんとなく違和感をもっていた母親等の事例検討を多職種で行っている。専門部会の意義は、事例を適切にアセスメントできる、継続的な見守りや支援が必要な事例は市町村がフォローするシステムができることである。その会議の実際を見学し、多職種が継続的に事例を検討する有用性を実感した。 産科医療機関では、妊娠診断から始まり、分娩を経て、産後4~5日で退院する対象が次から次へと入院し退院していく。多くの場合、産後1か月健診で親子との関係は終結する。そのような状況で働く看護職者には、事例の検討を取り入れたプログラムが有効ではないかと考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は前研究(課題番号:24593458)の質的研究、量的研究の結果を検討すること、保健・医療・福祉の連携促進の先駆的取組を視察することで、教育プログラムへ盛り込む要素を検討し、教育プログラムを開発することであった。先駆的取組は大分県のペリネイタルビジット事業を視察し、保健・医療の連携、妊娠期から母親の不安を軽減する取組を見学した。その後の研究者間での教育プログラムの検討に時間を要し、現在、教育プログラムの完成には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究者間で教育プログラムの開発を早急に行う。その後、予定していた教育プログラム有用性を測定するための質問票の作成に取り掛かる。 教育プログラムが完成した時点で、研修会に向けての準備(講師依頼、会場確保等)を行い、年度後半に研修会を開催する予定である。研修会の前後に参加者に質問紙調査を行い、プログラム有用性の検討のためのデータを得る。
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Causes of Carryover |
教育プログラムの参考とするための先駆的取組事業の見学が、当初予定の2箇所が1箇所しかできなかったことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は研究者間での教育プログラム作成に向けた検討会を増やし、早急にプログラムを作成する予定であるため、差額分は研究者の所属施設を往復する交通費として支出する予定である。
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Research Products
(1 results)