2016 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待の発生予防をめざした産科医療機関の看護職者に対する教育プログラムの開発
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15K11680
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
唐田 順子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (60440012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 児童虐待 / 子ども虐待 / 発生予防 / 教育プログラム / 産科医療機関 / 助産師・看護師 / 気になる親子 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は乳幼児虐待の発生予防をめざした教育プログラムの開発、プログラムの有用性を測定するための質問票の作成、調査実施の倫理申請、講師依頼を行った。 教育プログラムは、前科研で理論化した「産科医療施設の看護職者の『気になる親子』への気づきから連携が発展するプロセス」をもとに作成し、大目標を以下の3点に設定した。①子ども虐待の基礎的な知識を得て「気になる親子」発見のための視点を育成する、②退院後の親子の生活理解を深め子育てを見据える長期的視座を育成する、③他機関理解の深まりによる相互補完性の認識・連携に関する認識を強化する。この大目標に沿って小目標、具体的な教育内容を挙げ、教育プログラム全体の目的・目標、教育内容を明確にした。そして2日という期間を設定し教育プログラムの時間配分を行い、研修としての教育プログラムを完成させた。講師は本研究の研究者の他、子ども虐待の実践・研究に携わる福祉の専門家に依頼した。退院後の親子の様子を知る機会の少ない産科医療機関の看護職者のために、事例を用いた具体的な教育内容としたことが特徴である。主要な7つの教育内容は、以下である。①子ども虐待発生予防・支援の目的の理解、②子ども虐待の基礎的理解、③事例から学ぶ「気になる親子」の退院後の生活や支援の理解、④他機関の役割や支援内容の理解、⑤親・家族への同意の得かたと他機関と連携するための個人情報保護・守秘義務に関する理解、⑥事例から学ぶ産科医療機関と他機関の連携/望まれる役割理解、⑦産科医療機関における子ども虐待発生予防に向けた課題と対策。 教育プログラムの有効性と課題を明らかにするために、自記式質問紙調査票を作成した。主要な7教育内容に関する理解・認識の状況、連携の状況を把握する質問項目等を設定した。 教育プログラムの実施は平成29年7月下旬に予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は前年度の遅れを取り戻し、教育プログラムの完成、プログラムの有用性を測定する質問票の作成、研修のための講師依頼、日程設定、募集方法の決定、倫理申請等、教育プログラムの実施の準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、産科医療機関の看護職者に分かりやすい教育プログラム実施の講義のために、各講師が打合せを重ねて、教材の作成を行う。 6月から研修参加者の募集を行い、7月26・27日の2日間で教育プログラム(研修)の実施を行う。同時に研修前後の質問紙調査を行い、教育プログラムの有用性を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度に教育プログラムの実施(研修)を開催する予定で、会場費、ポスター等の予算を計上していたが、時間的に余裕を持たせていた次年度に先送ることなったため、研修の実施に伴う費用は、次年度に使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は今年度先送った研修に伴う費用を使用し、研修を実施する。
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Research Products
(4 results)