2016 Fiscal Year Research-status Report
新生児に対する「看護職の応答性スキル促進教育プログラム」の開発とその評価
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15K11682
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大田 康江 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (80650134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (20216758)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育プログラム開発 / 産褥早期の母児ケア / 母児相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、良好な母子関係の構築を支援するために、①産後早期の母児ケアに従事する看護職を対象に、新生児に対する応答性スキル向上に焦点をあてた教育プログラムを開発(自己学習型web 教材)し、教育プログラムの実施、評価を通して②その介入効果を検証することである。2016年度は、目的②に焦点をあて、研究を行った。 1.web教育プログラムによる介入を実施:産褥早期の母児ケアに携わる看護職17名を対象にweb教育プログラムを実施した。 2.web教育プログラム介入効果の検証: web教育プログラムによる①有用性②介入効果の検証を行った。 ①教育プログラム介入後においては、看護職の新生児の行動および母児とのコミュニケーション・カウンセリングスキルについての知識が増していた。また教育プログラムの受講時間、ボリュームの適切性においても肯定的評価を得た。さらに教育プログラムへの満足・関心において高い評価を得た。 ②介入前後の授乳ケア場面における看護職の母児への関わりの言動的・認知的変化を参加観察法および介入後のリフレクションインタビューにより評価した。その結果、看護職の言動的変化では、児の行動に意識が向き、児を一人の人間として捉え、児のサインをキャッチし、適切に応答できる児への応答性が高められていた。母親との関係性構築においては、母親の気持ちやニーズに応え、母親を情緒的に包み込むような態度で接する行動が促進されていた。また、リフレクションインタビューにおいては、従来の自己ケアが乳房管理に偏重しており、児への観察の視点および母児双方にアプローチしていくことが不足の気づきという認知的変化がみられた。しかしながら、介入後においても対象とのコミュニケーション調整に課題が残るものがあった。これらのケースにおいては個別的なフィードバックの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
看護職のweb教育プログラム受講がトラブルなく、円滑に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. web教育プログラム介入効果の検証:介入効果の分析をさらに進めていく。 2. 成果発表および論文投稿:本研究の成果を発表し、論文としてまとめ投稿していく。
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Causes of Carryover |
予定よりも早く介入効果のプロセス評価を行うことができ、その成果を国際発表することができた。その旅費等の諸経費が予算以下でできたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、①成果発表時の旅費、②論文投稿のための英文校正費、③報告書の印刷費に使用していく予定である。
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