2016 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期からのファミリーパートナーシップモデルに基づく早期育児支援の有効性
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15K11695
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (20285448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 たい子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10156713) [Withdrawn]
大久保 功子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20194102)
鈴木 香代子 東京有明医療大学, 看護学部, 助教 (50372876)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ファミリーパートナーシップモデル / 妊娠期 / 育児支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
英国のファミリーパートナーシップモデル(Family Partnership Model、以下、FPM)に基づく産前産後の育児支援の介入モデルを用い、その有効性について検討する。また、看護職による妊娠期から育児期までの切れ目ない支援のあり方について検討することを目的とした。 1.介入研究の実施のための準備 FPMに基づいた妊娠期からの早期育児支援の日本版ガイドライン作成と講習会開催のための内容の検討および資料準備を行った。看護職が産前産後の育児支援を実施するための具体的方法を検討した。ガイドラインの内容は、必要な準備、FPMに基づくプロモーショナルガイドシステム(Promotional Guide System)を用いた支援方法などであった。 2.妊婦のメンタルヘルス調査 都内の大学病院産婦人科において20歳以上の妊婦を対象に質問紙調査を実施した。妊娠初期および妊娠後期にうつ(エジンバラうつ病質問調査票(EPDS),うつ病自己評価尺度(CES-D)),小児期の逆境的体験(ACE)に関する質問紙調査を実施した。なお、所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得て研究を実施した。対象となった妊婦は、年齢および教育歴が高く、就労している者の割合が多かった。妊娠初期、妊娠後期の各時期の間で、CES‐D及び EPDSの得点に有意差は認められなかった。妊娠初期および後期でCES-DとEPDSとの間に正の相関関係が認められた。対象者の5人に1人が何らかの小児期の逆境的体験を有していたことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた介入方法の見直しを行い、研究方法を変更したことが理由として挙げられる。妊娠期からの早期育児支援に関わる専門職を対象とした講習会を開催し、その前後での評価を行う方法に変更した。そのための準備として、講習会開催のためのガイドライン・資料作成などを行い、事前調査としては妊婦のメンタルヘルスに関する実態調査を実施した。当該年度で講習会開催のための準備を整えるという目的は、概ね達成された。しかしながら、講習会の前後で実施する評価のための調査に関する検討が十分とはいえない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、妊娠期から継続して育児支援に関わる専門職を対象とし、FPMに基づく産前・産後の育児支援に関する講習会を開催する。その前後で評価に関する質問紙調査を実施する予定である。また、都内の大学病院産科および小児科外来で出産後も継続して研究協力への承諾が得られた母親を対象に子どもの発達や母親のメンタルヘルスに関する質問紙調査を実施する。それらの結果を踏まえ、看護職による妊娠期からの切れ目ない育児支援の具体的方法を検討する。現在、研究遂行のための準備を整えている。
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Causes of Carryover |
計画していた介入方法の見直しを行い、研究方法を変更したことが理由として挙げられる。妊娠期からの早期育児支援に関わる専門職を対象とした講習会を開催し、その前後での評価を行う方法に変更したため、次年度に研究遂行するための使用計画の修正を行うことが必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要経費として、講習会に必要な資料印刷費、分析に用いる統計解析ソフト、消耗品費では質問紙尺度や書籍の購入を予定している。国内外旅費は、研究打ち合わせの他、学会発表など成果報告のために交通費が使用される。謝金はデータ入力・整理などの研究補助の雇用を予定している。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 包括的出生前コホート―母親のメンタルヘルスとその関連要因―2016
Author(s)
岡光 基子, 佐藤 憲子, 瀧本 秀美, 矢郷 哲志, テイ ザ チョウ, ネ チ トン, 今井千裕, 五十嵐麻子, 坪田惟里, 田尻下-白井玲子, 青山友子, 宮坂尚幸
Organizer
第13回日本周産期メンタルヘルス学会学術集会
Place of Presentation
KFC Hall & Rooms 国際ファッションセンター(東京都墨田区)
Year and Date
2016-11-19 – 2016-11-20