2018 Fiscal Year Annual Research Report
Living Experiences of Children with Medical Complexity: toward designing a model for pediatric palliatiave care
Project/Area Number |
15K11704
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 真里 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30282461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良間 美保 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (40207923)
岡崎 伸 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 副部長 (40586161)
島津 智之 独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院(臨床研究部), 臨床研究部, 医長 (00627911)
竹内 若夏子 高知大学, 医学部附属病院, その他 (20759401) [Withdrawn]
川合 弘恭 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 助教 (10786156)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児緩和ケア / いきる体験 / 医療ニーズの高い子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小児緩和ケアのモデル考案に向け、医療ニーズの高い子どもの「いきる体験」を明らかにすることであった。医療ニーズの高い16名の子どもの親15名(1名の親は、医療ニーズの高い子どもを2名育てていた)、子どもを亡くした親5名、病院や施設で子どもに携わる専門職10名、計30名を対象に面接調査を実施した。医療ニーズの高い子どもは、5歳から20歳で、12名が気管切開を受けており、7名は人工呼吸管理が必要な状況であり、2名が施設に入所しており、その他14名は在宅で生活していた。 面接データの分析を行った結果、親や専門職は、身体的、心理的に安楽であること、人とのつながりがあるなど社会的な側面、そして、子どもらしさや人としての存在感があることなど実存的な側面、すなわちスピリチュアルな側面から、医療ニーズの高い子どもの「いきる体験」をとらえていることが明らかとなった。さらに今回の研究では、医療ニーズの高い子どもが「いきる」ことについて、親や専門職が、親や専門職自身の生きる意味や心理的な安寧としてもとらえていることが明らかとなった。そのため、子どものQOL向上に向けた小児緩和ケアを考える際には、子どもの「いきる」ことを支える上では、子ども自身へのケアのみならず、親やケア提供者、さらには社会との相互作用の視点が重要であることが示唆された。 最終年度には、上記分析に加え、本研究で明らかになった結果について、医療ニーズの高い子どもの親からの内容確認を受ける機会を設けた。親やケア提供者にとっての視点が含まれていることは、医療ニーズの高い子どもが生きる上で重要な視点であることが確認され、今後、本研究の成果が、医療ニーズの高い子どもの生活の実態調査や小児緩和ケアの成果指標として活用しうることが示された。
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Research Products
(2 results)