2018 Fiscal Year Annual Research Report
The hardships that midwives have in the care of perinatal women who have mental illness.
Project/Area Number |
15K11709
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
塩野 悦子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (30216361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 功子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20194102)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神障害 / 妊産婦 / 助産師 / 困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:平成30年度は、精神障害のある妊産婦のケアにおける助産師の困難と対処を明らかにするために、全国調査(横断的量的研究)を実施した。 方法:質的研究結果と文献を参考に無記名自記式調査票(背景18項目、困難と対処63項目、自由記載3項目)を作成し、平成30年11月~平成31年3月に調査を実施した。層化無作為抽出法にて、分娩取扱医療機関1134施設に研究依頼をし186施設より承諾を得て、875名の助産師に調査票を配布した。所属大学倫理委員会および1施設の対象施設の倫理委員会に申請し承認を受けて実施した。 結果:有効回答者は347名(39.7%)であった。総合周産期センター110施設、地域周産期センター122施設、総合病院産科150施設、診療所56か所であった。年齢は平均40.6歳、助産師経験年数は平均15.3年であり、98%は精神科での勤務経験は無かった。全員が精神障害のある妊産婦のケアに困難を感じていた。半数(51.9%)は精神障害の知識があったが、83%は適切な精神状態のアセスメントに不足を感じていた。さらに、78.1%は精神障害の妊産婦とのコミュニケーションに困難を感じていた。79.8%は自傷他害の危険性に関する判断が難しい、78.1%は話を聞いてあげた方が良いのか、切ってあげた方が良いのかの判断が難しい、90.2%が精神障害の妊産婦へのケアは疲れると回答していた。またほとんどが退院後の母親の生活、赤ちゃんの心配をしていた。精神障害妊産婦ケアは助産師の仕事ではないと思うのは4.3%で、94.5%が助産師が重要な役目があると回答していた。 考察:対象者は熟練者が多かったが、対象全員が精神障害の妊産婦への困難を感じ、特に適切なアセスメント力や、コミュニケーションに困難を感じていた。今後は助産師の精神障害の妊産婦ケアに関する教育がより重要になってくると言える。
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