2017 Fiscal Year Research-status Report
在宅障碍児者が不測の事態に備える教育プログラムの開発とその効果に関する研究
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15K11713
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山本 美智代 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (00269515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 薫 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00305426)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東日本大震災の経験 / 災害対策 / 備え |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までに行った研究から、災害時の備えを促進する「重症心身障害児(以下、重症児者)の家族用教育プログラムの作成」は、家族のそれまでの生活史によって対応方法が異なるため、統一したものを作成するのは困難との見解を得たことから、平成29年度は重症児者「日常生活の延長線にある災害対策」に焦点を絞って冊子化を目標とし、以下の段階まで目標が達成できた。 【熟練した看護師のヒアリング調査】重症児者施設で10年以上の師長経験のある看護師2名を対象に、日常生活の延長線上にある災害対策を考えるために、1)災害発生の情報収集、2)車で避難できない場合の持ち物、3)避難所生活での環境面、4)避難時の気管切開部などの衛生面、5)避難物品の準備、6)人に助けを求める、の6つの視点についてヒアリング調査を実施した。調査の結果から、以上6点は冊子化する必要性があると研究者間で確認ができた。 【重症児者の家族へのヒアリング調査】重症児者の家族であり、災害対策についての啓蒙活動をしてきた方1名を対象に、重症児者の避難意識や、避難をためらう理由、一般避難所で避難生活を送ることについてヒアリング調査を実施した。調査の結果から、目の前に危険が迫っている段階では避難の意識は働くけれども、避難する具体的な方法がわからないため、重症児者を対象とした研究結果に「避難のためらい」という現象が現れていると考えられた。さらに、「一般避難所」は重症児者の家族にとって行くことを想定していない場であり、どんなに一般避難所を整備したとしても「避難所」としての意味をもたないことが考えられた。今後、重症児者の意識への介入も必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究では、重症児者の「日常生活の延長線にある災害対策」として冊子化を目標としたが、骨子づくりまでに時間がかかってしまい、冊子が完成していない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、冊子の骨子が完成し、イラストレーターとの打ち合わせが始まる段階である。冊子作りが最初の予定よりも2か月遅れているため、短時間で冊子作成を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度は重症児者の「日常生活の延長線上にある災害対策」を目標に、冊子化する予定であったが、冊子の印刷までに至らなかったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)