2015 Fiscal Year Research-status Report
発達障害の種類や程度に則しカスタマイズ可能なプレパレーション・ツールの開発
Project/Area Number |
15K11718
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70233377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 邦代 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (40413306)
汲田 明美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (80716738)
天草 百合江 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10757545)
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 教授 (40244975)
岡崎 慎治 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (40334023)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害児 / プレパレーション / ツールの活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,先行研究で開発したプレパレーション場面を参考に,発達障害児の入院においてプレパレーションが必要と思われる検査・処置場面および在宅での医療行為に関してプレパレーションが必要と思われる場面を抽出する。抽出した場面に関する説明要素を明らかにし,その説明要素をツールに組み込むときの表現要素を明らかにする。明らかにした説明要素,構成要素を用いて,ツールとして具現化(デザイン化)し,様々な発達障害児に実際に使用し,評価し,効果を検証する。 これまでに,発達障害児が入院によって体験する場面から,説明の必要な場面を抽出する目的で,協力の得られた発達障害児が多く入院する全国の小児病院,小児病棟の看護師100名に,質問紙調査を実施した。内容としては,発達障害児に対するプレパレーションの実態,必要な場面や項目,対処方法,困った場面等について調査した。その結果,必要な場面や項目,方法が明らかとなった。また,特別なツールを使用している病院もあった。実施している内容としては,「入院」,「採血」,「点滴」,「レントゲン検査」,「バイタルサイン測定」,「手術」,「内服」などであった。方法としては,スケジュールを説明する,繰り返し説明する,身近な存在である保護者に依頼するなどもあった。困った場面では,パニックになって対応ができなかった,こだわりが強く,対処できなかった等が挙げられていた。個々に反応や程度が違うので,対応が難しいとの声が多く聞かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,先行研究で開発したプレパレーション場面を参考に,発達障害児の入院においてプレパレーションが必要と思われる検査・処置場面および在宅での医療行為に関してプレパレーションが必要と思われる場面を抽出する事が目的であった。看護師に対する調査で,必要と思われる検査,処置場面が明らかになった。また,どのような場面で,どのような事に困っているのかも明らかになった。計画としては順調に進んでおり,今後,ツール開発に向けて必要なコンテンツを作成して行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,質問紙調査の結果から,プレパレーション内容・方法を検討し,各場面における説明要素,表現要素を抽出する。その後,医師,看護師,小児病院保育士,特別支援学校教員からなる専門家会議を開催し,抽出した説明要素,表現要素を検討し,決定する。 その後,抽出した場面それぞれに対する説明要素,表現要素を具現化(デザイン化)し,プレパレーション・ツールを試作する。その後,前述のメンバーによる専門家会議を開き,プレパレーション・ツールについて検討し,評価,修正を行い,プレパレーション・ツールを完成する。
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Causes of Carryover |
今年度は,実態調査を行ったが,施設に一括して送付したことと研究協力施設が少なかったため,郵送費が予定より少なかった。調査対象数は十分であったため,結果の分析には影響はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実態調査を基に,プレパレーション・ツールの作成を行う。物品費として計上していたレーザー加工機購入費が周辺機器を含めると予定より多くかかったため,前年度に購入予定であったツールの材料が購入できなかった。今年度,ツール材料を購入し,レーザー加工を行い,ツールを作成するために使用する。
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