2015 Fiscal Year Research-status Report
3次元分娩アニメーションによる安全な分娩のためのコミュニケーション支援ツール開発
Project/Area Number |
15K11736
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 綾子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00313742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
竹 明美 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (30344568)
西頭 知子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (90445049)
横山 浩誉 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (20550510)
土手 友太郎 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (10257868)
佐々木 くみ子 鳥取大学, 医学部, 教授 (00284919)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 3次元アニメーション / 分娩 / コミュニケーション支援ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
研究遂行上、まずデジタルコミュニケーション支援ツールを開発した。 1.目的:3次元分娩アニメーションによる安全な分娩のためのコミュニケーション支援ツール開発を開発する。 2.方法:1)期間:平成27年7月~平成28年1月 2)開発手順:(1)イラスト原案を研究者が立案した。(2)イラスト原案をもとに外部担当者と研究者が連携しイラスト作成した。(3)イラストをもとにシステム外部担当者と研究者が連携し,3次元分娩アニメーションでつなぐデジタルコミュニケーション支援ツールを開発した。 3.結果:開発した支援ツールの内容は以下の通りであった。1)専用表示システムで内診後パラメータ(ビショップスコア修正版)入力。2)組合せに応じた正面画像・側面画像を表示。児頭下降図(母体の正面・側面から見た図:-3~+3の7パターン、正常回旋と異常回旋の計2パターン)。3)タップによる拡大・縮小機能を設定した。4)タブレット型パソコン2台にインストールした。5)動作を確認した。6)個々の入力プロセスは保存できないシステムとした。 4.考察:骨盤内で起こっている分娩現象は,産婦にとって空間認知力が必要なためイメージしにくい。安全な分娩実現のために産婦自身が分娩管理に参画し,分娩進行状況を知ることは帝王切開をはじめとするリスク回避につながる。しかし,産婦の分娩現象の理解度やニーズの実態,理解による効果は明らかでない。本支援ツールにより、産婦の分娩現象の理解度の向上が期待される。今後産婦と分娩経過を説明する立場にある助産師による介入研究を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究全体の概要を倫理審査委員会や協力施設に説明するため、まず、イラスト原案作成、作成したイラストをもとにシステム外部担当者と研究者が連携し、3次元分娩アニメーションでつなぐデジタルコミュニケーション支援ツールを開発した。しかし、作成に予想より時間を要したため、実際の調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
<第1段階>産婦の分娩現象の理解度に関する介入前調査 1.調査期間:平成28年9月~12月。2.調査対象:産科医療施設2施設で分娩した妊娠37週以降の予定帝王切開術以外の分娩を経験した褥婦200名(初産婦100名・経産婦100名)。3.データ収集方法:産褥入院中に質問紙調査を実施する。4.データ収集内容:1)対象の特性 2)分娩進行の理解度:内診所見(子宮口開大度・下降度・児頭回旋)・陣痛の状態・破水の説明の理解度 3)分娩に対する自己効力感:出産に対する自己効力感尺度 5.データ分析方法:記述統計、年齢、初経別にノンパラメトリック検定、自由記述は内容分析法を用いる。 <第2段階>助産師の分娩現象の説明に関する介入前調査 1.調査期間:平成28年9月~12月。2.調査対象:産科医療施設2施設の助産師100名。3.データ収集方法:独自に作成した質問紙調査を実施する。4.データ収集内容:1)対象の特性:年齢、助産師としての経験年数。2)説明状況:分娩進行の説明で困難に感じること、工夫していること(内診所見:子宮口開大度・下降度・児頭回旋、陣痛の状態・破水の説明5.データ分析方法:記述統計、年齢、経験年数別にノンパラメトリック検定、自由記述は内容分析法。 <第3段階>産婦と助産師に対する介入後調査 1.平成29年度:開発した「3次元分娩アニメーションによる安全な分娩のためのコミュニケーション支援ツール」を使用する(産婦の分娩進行の理解度に関する実態調査、助産師の分娩進行の説明に関する実態調査)。 <第4段階>平成29年度:3次元分娩アニメーションでつなぐデジタルコミュニケーション支援ツールの効果を介入前後で比較する。 1)産婦の介入前後比較。2)助産師の介入前後比較。3)成果をまとめ公表、普及する。
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Causes of Carryover |
研究全体の概要を倫理審査委員会や協力施設に説明するため、まず、イラスト原案作成、作成したイラストをもとにシステム外部担当者と研究者が連携し、3次元分娩アニメーションでつなぐデジタルコミュニケーション支援ツールを開発した。しかし、作成に予想より時間を要したため、実際の調査ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
産婦の分娩進行の理解度に関する実態調査・助産師の分娩進行の説明に関する介入前実態調査と介入後の調査のため以下の経費が必要である。 1.消耗品(インクカートリッジ,印刷用紙,封筒,USBなど)・文房具が必要である。2.情報収集・調査依頼のための旅費が必要である。3.データ解析のための統計ソフトが必要である。
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