2016 Fiscal Year Research-status Report
3次元分娩アニメーションによる安全な分娩のためのコミュニケーション支援ツール開発
Project/Area Number |
15K11736
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 綾子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00313742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
竹 明美 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (30344568)
西頭 知子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (90445049)
横山 浩誉 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (20550510)
土手 友太郎 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (10257868)
佐々木 くみ子 鳥取大学, 医学部, 教授 (00284919)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分娩アニメーション / 産婦 / 分娩理解 / 満足度 / 助産師 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.目的:助産師による分娩アニメーションを用いた分娩の進み方の個別的な説明が、産婦と助産師自身に及ぼす効果を明らかにした。2.方法:研究1)産婦は介入群のデータ収集を行った。研究2)助産師は介入群データ収集前にフォーカスグループインタビューを行った。3.結果:研究1)初産婦4名、経産婦2名計6名のデータを収集した。(1)分娩経過理解度の比較では、「子宮口開大度、児頭下降度、胎児の回旋」において、妊娠中より分娩後の方が有意に高く理解していた。(2)出産体験自己評価尺度(短縮版)では、6名全員が「すべて助産師に任せることができた」「自分のお産の計画を教えてもらえた」において「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えていた。(3)分娩アニメーションの評価では全員が「役に立った」「少し役にたった」と答えていた。4)意見では「イメージしやすかった」「自分を励ますことができた」「現状把握するのに有効なツール」「わかりやすく安心できた」などがあった。研究2)助産師3名に対するインタビューの結果、(1)内診後の分娩の進み方の説明方法は、口頭、身ぶり手ぶりで説明していた。(2)説明の際難しいと思ったことは、児頭下降度、展退度、胎児の回旋、分娩のどの時点かの説明をあげていた。(3)その理由として、イメージしにくいため説明も難しいなどをあげていた。4.考察:研究1)妊娠中と分娩後の分娩経過理解度に有意な差があったこと、出産体験自己評価尺度(短縮版)のうち分娩理解に関する項目が全員肯定的であったこと、分娩アニメーションの評価では全員が「役に立った」「少し役にたった」と答えていたこと、意見では、分娩進行の理解に役立ち前向きになれたことなどから効果があったと考えられた。研究2)産婦にとって、分娩経過はイメージしにくいことから、分娩アニメーションの使用など、視覚的な理解を促す方法の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属大学の倫理審査に時間がかかり、さらにデータ収集施設の倫理審査を受ける必要があった。このため、データ収集開始が予定より遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.データ収集方法:1)産婦:介入群80例程度のデータ収集終了後、対照群80例程度へのデータ収集を実施する。2)助産師:介入群データ収集終了後および対照群データ収集終了後、フォーカスグループインタビューを用いた質的記述的研究を実施する。 2. データ収集内容と手続き:1)産婦:(1)分娩第1期、2期に助産師が「分娩アニメーション」をインストールしたタブレットを用い、内診後分娩経過を説明する。(2)産褥1日目に助産師が、褥婦に無記名自記式質問紙(対象者の特性、妊娠中の分娩経過理解度。(3)分娩状況、分娩後の分娩経過理解度、分娩に対する満足度、分娩アニメーションの評価、分娩アニメーションに対する意見)を配付する。産褥3日目までに回収箱で回収する。2)助産師:内診後の分娩の進み方について産婦に説明する方法、説明の際難しいと思うこと、そう思う理由に関するフォーカスグループインタビュー。 3.分析方法:1)産婦の介入前後の分娩経過理解度、分娩に対する満足度などを統計学的に比較する。2)助産師の介入前後のフォーカスグループインタビューの内容分析結果を比較する。 4.成果をまとめ公表する。
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Causes of Carryover |
倫理審査委員会承認後のデータ収集開始が予定より遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
産婦は2群横断比較介入研究、助産師は介入群データ収集終了後、対照群データ収集終了後、フォーカスグループインタビューを用いた質的記述的研究を実施するため、以下の経費が必要である。 1.分娩アニメーションソフトの表示の一部変更経費、2.謝品、3.消耗品、4.データ解析のための統計ソフト、5.成果発表旅費、英文校正経費などが必要である。
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