2017 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設における看護師の専門職性を高める組織コミットメントモデルの開発
Project/Area Number |
15K11754
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宮田 千春 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (40738655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 佐和子 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (10131244)
荒井 秀典 京都大学, 医学研究科, 教授 (60232021)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 老人看護 / 介護老人保健施設 / 専門職性 / 組織コミットメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,老人保健施設(老健施設)の看護師の組織コミットメントと専門職性に関与する要因およびその他の主要な要因との関連を統計的に分析し,因果モデルの検証を基に専門職性を高める組織コミットメントモデルを構築することである. 前年度に実施した面接調査では,老健施設勤務経験のある老年看護専門看護師(CNS)と老健施設の看護師長への面接調査において「老健施設における看護師の専門職性への認識と特徴」として4つの特徴のカテゴリーが抽出された.そのため,今年度はこの結果を質問紙の看護師の専門職行動を測定する「専門職行動」の質問項目に反映し,質問紙を作成した.質問紙調査は,研究対象施設の選択としてWAMNET介護事業者情報に登録されている全国の介護老人保健施設の3931施設の中から無作為抽出(等間隔抽出法)を使用し1,000施設を抽出した.その施設で勤務する看護職を対象に,一施設あたり5部の質問紙(計5000)部を送付した.28年度末で1195部を回収(回収率24%).ほぼ予測通りの回収が得られ,統計的に分析した.分析の結果として、情緒的コミットメントは専門職行動を促進するが、継続的コミットメントは専門職行動を抑制することが明らかになった.また、職務満足度が情緒的コミットメントを高める要因であることが明らかになり,これらのことから,専門職行動を促進するためには,職務満足度の向上が必要であると考えられた.さらに, 新たな知見として, 組織コミットメントの3つの構成要素(情緒的・規範的・継続的)は情緒的から規範的へ, 規範的から継続的に, そして継続的から情緒的に正の関係が認められた.このことから,専門職行動を抑制すると考えられる継続的コミットメントを情緒的な組織とのつながりである情緒的コミットメントに変化させることも可能であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、アンケート調査の結果の分析を主に実施した。しかしながら当初の予定よりも分析に時間を要した。そのため、結果の一部のみ学会発表で発表したが、その後の修正等も必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の結果得られた因果モデルの検証を基にモデルを構築し,学会発表,論文投稿および看護管理及び老年看護のイベントや研究会で紹介する. さらに,研究代表者の所属研究室のホームページに掲載する。
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Causes of Carryover |
統計的分析に時間を要したため、31年度に本研究で得られた結果に関する論文について研究チームで検討する.そのため,そのミィーテングに関わる交通費等に使用.および論文執筆に関わる費用(論文校正費、投稿料)および学会発表のための諸費用(参加費、交通費、宿泊費等)に使用する.
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