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2017 Fiscal Year Research-status Report

便利社会の生活環境が高齢者の手段的ADL自立に与える影響

Research Project

Project/Area Number 15K11781
Research InstitutionBaika Women's University

Principal Investigator

吉田 さとみ  梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (90634634)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 造田 亮子  名寄市立大学, 保健福祉学部, 助教 (20552566) [Withdrawn]
河村 圭子  梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (30214274)
大島 加奈子  梅花女子大学, 看護保健学部, 助教 (50630654)
中平 みわ  京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (90461970) [Withdrawn]
重年 清香  梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (10637036)
Project Period (FY) 2015-10-21 – 2019-03-31
Keywords高齢者 / IADL / 不便さ / 便利社会
Outline of Annual Research Achievements

超高齢社会の進展に伴い2030年には高齢者の半数近くは独り暮らしになることが推測されている。高齢者を取り巻く環境の変化が著しい中、慢性疾患や加齢変化を併せ持ちながら生活する高齢者にとって、環境の変化に適応できないことは更なる生活不安を生む可能性が考えられる。本研究は便利社会における高齢者の日常生活に潜む不便さを明らかにし、IADLの自立の側面から課題を再考することを目的とする。
平成29年度は高齢者のインタビューデータの分析と行動観察データの分析をおこなった。行動観察は、高齢者に同行する参加観察と高齢者の自然な行動を観察する自然観察の2つの方法で実施した。行動観察はスーパー・郵便局・市役所・飲食店・駅構内・電車やバス内とそれらの移動経路でおこなった。
ビデオ撮影と対話ならびに目視により観察した高齢者の言動や環境ならびに雰囲気を分析した結果、気遣いに関連した現象(危険性)、身体機能の低下がもたらす現象(不便さ・危険性・予防策・工夫)、機器操作への心理的現象(消極性・依存性・抵抗感・あせり)であった。
また、インタビューデータを質的に分析した結果からは公共交通機関と駅構内の不便さに関するもの70コード、歩行に関するもの138コード、買い物に関するもの73コード、ATMや携帯電話およびパソコンに関するもの148コードが抽出された。これらからは加齢を意識した積極性や加齢現象に対応していない物理的・人的環境に対する困難性や不利益さへの思いが抽出されており、社会が自動化・機械化され便利になっても、加齢に伴う不便さは解消されていないことが推察された。特に公共機器であるATMなどのIT機器は次々に新しい機能が導入されることにより高齢者の「使いづらさ」は、解消されにくいことが窺える。よって物理的および人的環境をハードとソフトの両面から高齢者の視点で整備することが重要な課題と考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度は、インタビューデータの分析により「暫定的カテゴリーの発見」と、平成28年度に実施した行動観察調査のデータ分析に着手している。

Strategy for Future Research Activity

1.行動観察データのカテゴリーの生成①コードの関連性や類似性について比較検討し共通の意味関係でつながったサブカテゴリーを抽出する。②構成単位とサブカテゴリーの意味、サブカテゴリーの相互関係を明らかにする。③サブカテゴリー同士の相違点と共通点を比較検討し再編成・統合によりカテゴリーを生成する。
2.面接調査と行動観察調査のカテゴリーを統合する。
3.カテゴリーの意味においてつなぎ、その関係性を説明するための構造化をする。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は、①質分析の妥当性を確保する目的で定性分析ソフトの購入を検討しているが、その実用可能性に疑問もあり現時点では研究者による手作業での分析を進めていること②想定していた人件費の減額が大きな原因である。今年度は、国際学会発表のための旅費、論文およびリーフレット作成のための諸費用、分析ソフト購入に使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 高齢者の情報機器使用上の不便性‐ATM・携帯電話・パソコン利用の状況から-2017

    • Author(s)
      吉田さとみ
    • Organizer
      日本老年社会科学学会
  • [Presentation] 公共交通機関利用時における高齢者の外出を阻む要因2017

    • Author(s)
      造田亮子
    • Organizer
      日本老年社会科学学会
  • [Presentation] 高齢者の外出時の歩行を阻む要因と対処行動2017

    • Author(s)
      重年清香
    • Organizer
      日本老年看護学会
  • [Presentation] 高齢者の『買い物』行動を阻む要因2017

    • Author(s)
      大島加奈子
    • Organizer
      日本在宅ケア学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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