2017 Fiscal Year Research-status Report
独居の高齢2型糖尿病患者へのPerson-centred Careモデルの開発
Project/Area Number |
15K11821
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
山岸 直子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (10320821)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 とわ子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (60322351)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 独居 / 高齢2型糖尿病患者 / 熟練看護師 / 看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、独居の高齢2型糖尿病患者の自己管理を支援するためのPerson-centerd Careモデルを開発し、そのモデルの有効性を検証することである。本年度は昨年度に引き続き、Ⅲ.「熟練看護師の独居の高齢2型糖尿病患者に対する看護支援の実態と課題の焦点化」について看護師を対象に調査を行った。16名の熟練看護師より個別インタビューを実施しデータ収集した。データ分析は質的記述的方法に基づき行った。 熟練看護師は【何でも正直に話し合える信頼関係の構築】、【患者の立場に立ち共感する姿勢】、【患者と共に取り組む姿勢】を基盤としていた。そして【価値観や将来の目標の把握】をし、問題探求のために、生活状況、身体・認知機能、食物調達や料理、経済状況などの【生活力や自己管理能力】、薬物療法の実施状況や低血糖リスク、食事回数や内容、外出や運動状況などの【療養法の安全性や適切性】、家族サポート、社会とのつながりといった【家族・社会サポート】、負担感や孤独感、配偶者との死別後の悲嘆、生活の楽しみといった【精神的健康や生活の楽しみの維持】をアセスメントしていた。そして、【安全で現実的な将来の目標に沿った自己管理支援】、【生活の楽しみを維持し将来の生活も見据えた支援】を行い、必要時には【家族サポートや社会資源の調整】を行っていた。さらに、負担感や悲嘆状況に合わせる、血糖値の変化があった時に踏み込んで関わるなど【タイミングを見計らった関わり】を行っていた。 独居の高齢2型糖尿病患者の支援では、生活力や心身状態、家族・社会サポート状況による自己管理への影響をアセスメントし、問題を早期に捉え、安全で現実的な本人の目標に沿った支援、生活の楽しみを維持し将来の生活も見据えた支援が重要である。また、タイミングを見計らい、必要時には家族サポートや社会資源につなげる支援の重要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度はⅢ.「熟練看護師の独居の高齢2型糖尿病患者に対する看護支援の実態と課題の焦点化」の質的研究、Ⅳ.「独居の高齢2型糖尿病患者に対するPerson-centred Careモデル」の作成と評価を予定していた。Ⅲの研究は終了したが、Ⅳ.のモデル作成に時間を要し評価まで行えておらず遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、Ⅳ.のモデル作成を完成させて評価を行い、遅れを取り戻す計画である。
|
Causes of Carryover |
本年度、Ⅳの研究についてのデータ収集が行えていないため、データ収集のための旅費、テープ起こし代、謝金がかからず次年度に繰り越した。 次年度は、データ収集のための旅費、テープ起こし代、謝金で使用する予定である。また、研究の成果発表のための国内外の学会参加費および旅費として使用する。
|
Research Products
(3 results)