2015 Fiscal Year Research-status Report
禁煙困難な状況下でも出産後再喫煙しない母親(ポジティブデビアンス)はなぜいるか?
Project/Area Number |
15K11881
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
坂東 春美 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00458027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 亨 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (80174936)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Positive Deviance / 喫煙 / 禁煙 / 再喫煙 / 妊婦 / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.文献レビュー 文献レビューでは、Positive Deviance approachに関する国内外の研究の現状把握と、このアプローチによる強みや利点と欠点や課題の分析を行った。主な調査項目は、著者・発表年・介入国・介入期間・介入対象者・介入内容・研究デザインと介入の特性等とした。その結果、1975年が初出版、介入国は東アジアおよびアフリカが多いが2013年以降はアメリカ、オーストラリア、フランスに増加していること、介入内容は貧困な地域での栄養や感染症が多いこと、介入の利点は地域に根差した新しい解決手法が発見できることであるが、その反面成功は極めて限定的であること、対象集団の構造把握の質が介入の成否に影響すること、時間がかかることなどの問題点も明らかになった。さらに、妊婦の喫煙者関する研究の分析を行った。検索方法は、医学中央雑誌にて5年以内の投稿論文10件が対象(2015年11月)となり、その結果は、パートナーの喫煙、妊婦や母親の実父母の喫煙、学歴、世帯収入、喫煙開始年齢、妊娠の不安、育児の不安という特性が明らかとなった。 2.本研究に関する情報収集 東京大学大学院医学系研究科公開セミナー「行動変容のためのポジティブ・デビエンス: 成果と可能性」、Oceania Tobacco Conference, Perth 2015に参加し、情報収集を行った。さらに、計画策定するにあたり、共同研究者との打合せと並行して、先行研究者である河村洋子氏(熊本大学)にも相談を行い、助言を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、研究実績に加え妊婦の禁煙や再喫煙に関する最新の情報収集・研究計画立案のための共同研究者との打合せ・調査依頼機関との打合せと研究計画の再検討・倫理審査と調査システムのマニュアル作成まで進める計画であった。しかしながら、先行研究から得られた情報より、Positive Devianceは、「成功は極めて限定的であること」「対象となる集団の構造の十分な把握が介入の成否に重要であること」が明らかになった。加えて、本介入法は「時間がかかる」「スケールアップが難しい」ことも特性であった。この様な特性と日本では事例がない現状から、研究計画の検討には注意深く進める必要があり多くの時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
Positive Deviance approachに関する先行研究のレビューと、妊婦の喫煙者および再喫煙者の特性、妊娠期の喫煙者の特性に関する先行研究のレビューがおおよそ終了した。今後は、この結果を基に学術大会および学術雑誌へ発表する予定である。 また、共同研究者との打合せを更に進めながら、調査依頼機関との打合せ・研究計画の再検討・倫理審査と調査システムのマニュアル作成・調査の実施に関する打合せを行予定とする。研究計画の立案には、先行研究者のMonique Sternin氏(Tufts University)・河村 洋子氏(熊本大学)、Arvind Singhal氏(University of Texas)への助言および協力を依頼する予定である。
|
Causes of Carryover |
平成27 年度 は、妊婦の禁煙や再喫煙に関する最新の情報収集・研究計画立案のための共同研究者との打合せ・調査依頼機関との打合せと研究計画の再検討・倫理審査と調査システムのマニュアル作成まで進める計画であった。しかしながら、先行研究から得られた情報より、Positive Devianceは、「成功は極めて限定的であること」「対象となる集団の構造の十分な把握が介入の成否に重要である」ことが明らかになった。加えて、本介入法は「時間がかかる」「スケールアップが難しい」ことも特性であった。この様な特性と日本での事例がない現状から、研究計画の検討には注意深く進める必要があり多くの時間を要したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
Positive Deviance approachに関する先行研究のレビューと、妊婦の喫煙者および再喫煙者の特性、妊娠期の喫煙者の特性に関する先行研究のレビューがおおよそ終了した。今後は、この結果を基に学術大会および学術雑誌へ発表する予定である。 また、共同研究者との打合せを更に進めながら、調査依頼機関との打合せ・研究計画の再検討・倫理審査と調査システムのマニュアル作成・調査の実施に関する打合せを行予定とする。研究計画の立案には、先行研究者のMonique Sternin氏(Tufts University)・河村 洋子氏(熊本大学)Arvind Singhal氏(University of Texas)への助言および協力を依頼する予定である。
|