2015 Fiscal Year Research-status Report
学校におけるアレルギーに関連するヒヤリ・ハット事例の解明と未然防止策の提案
Project/Area Number |
15K11902
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
大沼 久美子 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (00581216)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アレルギー / 学校 / ヒヤリハット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学校において養護教諭が経験したアレルギー症状を呈した「ヒヤリ・ハット」事例の実態とその関連要因を明らかすることであり、特に以下の3点に着目している。1点目は、アレルギー既往のない又は軽症で学校が把握していない子どもが、学校において発症する事例について、その発症年齢、時期、場面、原因物質、関連要因、発症時の対応を明らかにする、2点目は、アレルギー既往がありすでに学校の管理下にある子どもの事例についてその関連要因を明らかにする、3点目は、アレルギーに関連する「ヒヤリ・ハット」事例の未然防止策を検討することである。平成27年度は、上記の目的を達成するために、養護教諭ヒヤリ・ハット研究会(以下研究会)を組織し養護教諭が経験したアレルギーに関するヒヤリ・ハット実態調査及び事例調査を実施した。調査対象は2015年度版全国学校データに掲載されている小・中・高等学校から6学級未満の過小規模校を除外し、Excelランダム関数で無作為抽出した各1000 校である。定時制・通信制高校については、5学級未満の過小規模校を除く全学校214校を対象とした。調査期間は平成28年1月~2月、調査方法は郵送法による自記式質問紙調査とした。女子栄養大学倫理審査委員会の承認を得て実施し調査票の返送をもって同意が得られたものとした。回収数は小学校287校(169事例)、中学校320校(198事例)、高等学校330校(149事例)、定時制・通信制高校58校(21事例)であった。過去5年間のアレルギーに関するヒヤリ・ハット経験は、「ある」399人(40.2%)、「ない」593人(59.8%)であった。アレルギー既往が「ない」にも関わらずアレルギー症状を呈した事例は、小学生(n=194)19.6%、中学生(n=182)30.2%、高校生(n=157)51.0%であった。発達段階が上がるにつれアレルギー既往がない子どもが学校で発症するケールがあることが明らかとなった。今後はさらに詳細について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画は、アレルギーに関連したヒヤリ・ハット事例の収集と分類であり、近接領域や海外のアレルギー疾患に起因する事例の収集を文献研究により実施した。その後、調査票を作成し、全国小・中・高校養護教諭を対象に質問紙調査を実施したため概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に実施した学校におけるアレルギーに関連したヒヤリ・ハット実態調査及び事例調査の量的。質的分析を進め、ヒヤリ・ハットがおきた要因を検討し、未然防止策の提案に向け、研究協力者や連携研究者で検討する。
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Causes of Carryover |
調査研究費の支払いが翌年度に繰り越されているためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
請求書は発行されており、事務手続きが進んでいる。
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