2015 Fiscal Year Research-status Report
ケータイ端末を使った生物調査を成功させるには?トンボウォッチ!
Project/Area Number |
15K12154
|
Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
山中 武彦 国立研究開発法人 農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (50354121)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 至伸 国立研究開発法人 農業環境技術研究所, その他部局等, 上級研究員 (30354088)
大澤 剛士 国立研究開発法人 農業環境技術研究所, その他部局等, 主任研究員 (40554332)
立田 晴記 琉球大学, 農学部, 教授 (50370268)
二橋 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 主任研究員 (50549889)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | スマートフォンゲーム / 参加者へのフィードバック / 一般参加型生物調査 / トンボ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、携帯電話(特にスマートフォン)をターゲットにしたトンボ観察競争ゲーム「トンボウォッチ」の構築を行った。(株)富士通FIPが開発している携帯フォトシステムを基本モジュールとして、1.過去の観察データを表示する機能、2.参加者同士が競い合う得点計算と表示、3.同定に不慣れな参加者のための簡易図鑑機能、の3つの機能の新規開発と統合を行った。この「トンボウォッチ」について所属機関が所有する試験用サーバで動作確認をテストした。基本モジュールを使ったメールの受信と添付されたトンボ写真の解析では、添付された写真の日付、埋め込まれた位置情報の抽出が行われることを確認した。また登録されたデータのカレンダー表示、電子国土地図上へのプロットとも、正確に行われることがわかった。ただし、写真が埋め込まれたページでは、写真の画像サイズが大きいために、G3やLTEといった電話回線での通信では表示に時間がかかることが課題となった。またトンボ観察記録の得点計算、ランキング表示とも問題なく実行できることが確認できた。 このように「トンボウォッチ」自体のテストは問題が無かったが、所属機関が所有する試験サーバについては、セキュリティの強化対応が必要となったため、一時運用を停止し、現在新たにサーバ環境を構築しているところである。 現在、平成28年度に向けてこれまで共同での自然観察イベントで実績のある各県博物館や大学、ビジターセンターなどと「トンボウォッチ」の実施について交渉中で、すでにいくつかの機関から内諾をいただいている。新しいサーバ環境が整い次第、さらに多くの研究・教育機関に働きかけを行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度中にスマートフォンゲーム「トンボウォッチ」の開発を終了し、テスト運用を行うことができた。参加登録、メール受付、ランキング計算、調査データのカレンダー/地図閲覧、簡易図鑑の全てで大きな問題なく動作することが確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
セキュリティ管理を強化したサーバを新しく構築して「トンボウォッチ」の再構築を急ぐ。再運用開始後、早急に日本全国の博物館、教育機関と連携してトンボ携帯調査を進める。特に、運用開始からの参加者の投稿件数を追跡して、ゲーム機能により参加者のモチベーションを維持できるか検証を行う。
|
Causes of Carryover |
435,300円の繰越が発生したが、この主要な原因は、新しくサーバを構築する必要が生じたため運用開始に遅延が生じ、イベント開始に向けた協力機関への交渉や打ち合わせの出張などを行うことができなかったことである。また「トンボウォッチ」システムのテストで大きな修正点が無かったため、システムの再改修に費用がかからなかったことも理由のひとつとなっている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越は、簡易図鑑機能を充実させるためのコンテンツ作成に農環研での契約職員の雇用を計画しており、これに当てる予定である。また、新しいサーバの準備が整い次第、関係機関への交渉のための出張旅費として予定通り使用する。
|
Remarks |
雑誌の成果で登録した論文のURL
|