2017 Fiscal Year Research-status Report
道州制導入後の流域管理政策の提言-南・北関東州を例としたシミュレーション分析-
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15K12272
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野谷 剛 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10500770)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モデリング / プログラミング / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我が国への道州制の導入により、東京湾、利根川、霞ヶ浦の三大流域を包含する関東地方が南・北関東州となった場合の流域管理のあり方を、モデリングとコンピューターシミュレーション分析により求めることを目的としている。 シミュレーションモデルに関しては、これまで完成させた茨城県内の霞ヶ浦流域モデル、群馬県内の利根川流域モデル及び東京都モデルに加え、今年度は千葉県内の利根川モデル、栃木県と茨城県をまたぐ鬼怒川モデルと小貝川モデルを完成させた後、各モデルを使用した個別流域でのシミュレーション分析を行った。特に利根川モデルを用いた分析結果については日本地域学会第54回(2018年)年次大会で研究報告を行ったほか、東京都モデルを用いた分析結果については国際学術雑誌に論文が掲載された。 完成した東京湾、利根川、霞ヶ浦、鬼怒川、小貝川の全ての各流域モ分析デルを統合し、南関東州及び北関東州の統合流域モデルの構築とプログラミングを行い、“統合的流域管理”と“水域と大気域への環境負荷の同時削減”を念頭にした最適政策導出のためのシミュレーション計算を行った。しかし、モデルの複雑さと巨大さゆえ、導出された解が想定外に現実に適用可能なものとなっておらず、更なるモデルの改良、精緻化及び挙動確認を行う必要性が生じた。これは研究手法の特性上、事前予測も不可能であったため、一年間の補助事業期間延長を行い、これが承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで構築した各流域モデルを統合した北関東州、南関東州モデルによるシミュレーション解が想定外に現実に適用可能なものとなっておらず、これは研究手法の特性上、事前予測が不可能であったため、更なるモデルの改良、精緻化及び挙動確認を行う必要性が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した北関東州、南関東州モデルの改良と精査を引き続き行い、プログラミングとシミュレーションを実施する。シミュレーション結果に基づき、道州制導入後の各州内の流域間相互依存関係及び州間相互依存関係の解析と温室効果ガスを含む大気汚染物質と水域への汚濁物質負荷の同時削減を達成する最適流域管理政策の提言とその影響分析を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度に統合モデルによるシミュレーション分析を終え、その結果を基に論文発表を行う予定であったが、導出された解が想定外に現実に適用可能なものとなっておらず、これは特性上、事前予測も不能であったため、モデルの改良、精緻化及び挙動確認を行う必要性が生じた。このため、モデルの改良等を引き続き次年度に行い、これによるシミュレーション結果を学会等で発表することとし、未使用額はその経費に充てることとする。
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