2016 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of intermediate water in biopolymers using terahertz wave
Project/Area Number |
15K12533
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山田 博信 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (50400411)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テラヘルツ波 / 中間水 |
Outline of Annual Research Achievements |
テラヘルツ波を用いた生体高分子中の水和水分析のための測定システムを構築し,180-240 GHzおよび700-830 GHzに対する純水のテラヘルツ波透過特性を測定した。 測定システムはテラヘルツ波源,オプティカルチョッパー,軸外し放物面鏡,試料移動用ステージ,テラヘルツ波検出器,ロックインアンプ,デジタルマルチメーター等で構成した。テラヘルツ波源には逓倍器を組み合わせた信号発生器(180-240 GHz)および後進波発振器(700-830 GHz)を,そしてテラヘルツ波検出器には重水素化L-アラニンドープトリグリシン硫酸結晶(DLATGS)焦電素子をそれぞれ用いた。測定システムの構築に当たっては,空間分解能をできるだけ向上させるために軸外し放物面鏡の組み合わせの検討も行った。 構築した測定システムを用いて,純水に対するテラヘルツ波の透過特性を測定した。パルプ紙片に純水を含ませたものをポリプロピレン製の袋に入れたものを試料とし,180-240 GHzおよび700-830 GHzに対する周波数応答を測定した。180-240 GHzおよび700-830 GHzのそれぞれについて,純水を含ませていない試料に比べて測定電圧の低下が見られたが,その低下量は周波数によらずほぼ一定であった。しかしながら,700-830 GHzでの測定結果は180-240 GHzでの測定結果に比べて電圧低下は大きかった。 本研究では生体高分子中の水和水分析を行うまでには至らなかったが,測定システムの構築に対する知見を得ることができた。今回得られた知見は,今後に生体高分子中の水和水分析を進めていく上で不可欠なものであり,非常に意義のあるものであった。
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