2016 Fiscal Year Research-status Report
布センサーを利用した良姿勢フィードバックによる作業関連性疼痛の予防
Project/Area Number |
15K12613
|
Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
太田 進 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50452199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康雄 日本福祉大学, 健康科学部, 助教 (80738401)
藤田 玲美 星城大学, リハビリテーション学部, 助手 (50735660)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 姿勢 / フィードバック / 作業関連性疼痛 / 頸部痛 / 腰痛 / VDT / 頭部前方突出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,布センサを用いて姿勢などを感知し,姿勢の変化を本人に知らせることにより,仕事や作業などで生じる腰痛や頸部痛(作業関連性疼痛)を軽減するシステムを開発することである.1年目は,事務作業を想定した作業関連性疼痛軽減を目的に布センサを装着する部位や装着方法を検討した.肩甲骨上角・下角の左右方向,上部胸椎の上下方向の伸びをセンシングしやすいと考え,本年度は,実証研究を行った.その結果,肩甲骨上角の左右方向のセンシングにより,頭部前方突出という異常姿勢軽減に効果があった.ただ,現時点では,スマートフォンに布センサの情報を送り,バイブレーションなどで姿勢変化を知らせるアプリの完成までに至っていない.最終的には,布センサを身体の適切な部位に装着して応用することで,このような異常姿勢に気づかせ,筋骨格系の傷害予防に結び付けることができると考えている.特に,事務作業による疼痛のみでなく,介護者の腰痛は,2013年度厚生労働省から「職場における腰痛予防対策指針」が改訂され,介護者の腰痛予防は重点課題とされている.布センサにより腹囲を感知(腹圧の感知)し,より腰痛の起こりにくい姿勢で介護者が介護できるように誘導できるとも考えている.また,万歩計などにより活動量は,計測可能となったが,布センサの情報により日常の動作の質も計測できるのではないかと考えている. 以上のように身体の適切な部分の動きを感知して,作業関連性疼痛を予防することは,労働者人口が減少している本邦において労働者を支援する重要な研究と考えている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,実際に布センサを応用して,健常成人を対象に臨床研究を行った.布センサのゆるみなどを考慮する必要があるものの一定の効果は得られた.現在,さらに布センサを頸部から胸椎部で自由に装着部位を変更できるバンドを作成した.また,腹囲の感知までのバンドおよび布センサの情報を受けるスマートフォンアプリの試作までは完成している.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は,現在までに完成しているスマートフォンアプリを事務姿勢のフィードバック,腰部に負担のかかる介護動作に応用する予定である.また,本年度以降の長期的視点も考慮して,歩行時の膝の屈曲角度,歩行時の下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の収縮などを感知することで日常生活の質の評価に応用できると考え,その基盤になる研究も含め進めていく.
|
Causes of Carryover |
布センサの情報をスマートフォンアプリに送り,姿勢などをフィードバックする予定であったが,アプリの作成に時間がかかり,実証研究への応用を平成29年度に行うこととしたため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
複数のスマートフォン(タブレットなど)に開発したアプリをインストールし,本年度実際の臨床・臨地研究を行う.複数のスマートフォンや布センサの購入に予算をあてる.
|