2017 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of a facilitator in embodied co-creative expressions
Project/Area Number |
15K12636
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
西 洋子 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (40190863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 敬之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10103615)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共創表現 / ファシリテーション / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始時は,研究期間を2015-2016年度としたが,新たにファシリテータとなる者と参加者とのかかわりが,ワークショップの積み重ねとともにどのように変化していくのかを検討するために,2017年度も実践と研究を継続し,十分なデータ量の確保に努めた. 1.ワークショップの継続:2015,2016年度に引き続き,身体での共創表現「てあわせ」ワークショップを,宮城県石巻市・東松島市合同で年間10回実施した.参加者は,被災した重度の発達障害児・者とその家族,現地の教育・福祉関係者,一般市民,関東から参加する学生や研究者等であり,年齢は1歳から80歳と大変幅広い.現地の方々と協働し,多様な人々が共創表現を行うワークショップを継続して実現することができた. 2.ワークショップの記録:各回の動画撮影を行い,収集した映像記録をもとに,参加者相互の身体的なかかわりや,ファシリテータのはたらきの実際を具体的に検討した. 3.ファシリテータのはたらきの検討:2016年度より,現地の方々がファシリテーションの一部を担うようになったが,2017年度はその割合が増え,新たにファシリテータを担う者と参加者との表現場面の映像を多く収集することができた.これらの映像記録から,新たなファシリテータとなった者は,個人の表現を促すだけでなく,参加者相互のかかわりを生むような言葉かけを多く用いることが明らかとなった.さらに,新たにファシリテータの役割を経験する者が,ワークショップ参加者内で増えることで,ファシリテータではない回や場面においても,主体的な相互作用および,参加者相互が自発的にファシリテートし合う様相を捉えることができた.映像から考察された点は,毎回のワークショップ終了時のファシリテータのコメントや,ファシリテーション勉強会時の討議内容を質的に検討した結果とも一致した.
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