2016 Fiscal Year Research-status Report
心理学的アプローチによるスポーツスキル修正プログラムの開発
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15K12650
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
蓑内 豊 北星学園大学, 文学部, 教授 (50239331)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新旧対照法 / スポーツスキル修正 / 心理的アプローチ / old way/ new way |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スポーツ選手のスキル修正を心理学的な観点からアプローチするものである。従来のスポーツスキルの修正では、新しいスキルを単純に繰り返す方法が中心であったが、心理学的側面を重視する新旧対照法(old way / new way)では、段階的に古いスキルと新しいスキルを交互に行う過程を導入することで、自身の中でのスキルの分別機能が向上し、その結果として新しいスキルの習得・保持効果が高まることが期待されるものである。 平成28年度は3年計画の研究の2年目であり、研究成果として、論文1本、学会発表4回、書籍2冊を公表することができた。不適切なスポーツスキルを身に着けたために傷害が生じたスポーツ選手に対して、正しいスポーツスキルを習得するために行った新旧対照法では、動作の違いを視覚的フィードバックを用いて示したところ、新旧2つのスキル・動作の違いが明確になり、新しい(正しい)スキルの動作が明確になることが示唆された。また、保持効果の観点では、新旧対照法を用いて修正したスキルが、約1年後にも保持されていた。さらに単なる動作習得の効果について新旧対照法の原理(様々な動作を行う)を用いたところ、学習の促進効果が示唆された。いずれの研究成果も事例検証から得られたものである。 スキル修正の評価として、パフォーマンス・プロファイリングテストの有効性が考えられた。そのため、パフォーマンス・プロファイリングテストの修正版を論文として公表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究自体は特に大きな遅延なく実行されている。複数の競技種目を対象として調査を行い、データを収集している。研究内容の性質上、個別的・事例的にデータを収集することになるので、多くのデータを収集することは期待できない。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな変更の予定はなく、基本的には当初予定通に研究を進めることを計画している。スポーツスキル修正プログラムについては、4段階のプロセスが適切なのか、それとも6段階のプロセスが適切なのかについては、引き続き検討を加える予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、年度末に予定をしていた研究会への出席ができなくなってしまったため、および、アルバイトを用いる予定であったデータ整理を自前で行ったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は本研究計画の最終年度となっており、これまでに収集したデータを整理・分析し、その研究成果を精力的に公表する予定である。
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