2015 Fiscal Year Research-status Report
子どもの声の受忍限度に対する評価基準の構築に関する調査研究
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15K12726
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 典久 八戸工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90295957)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保育園 / 子どもの遊び声 / 騒音測定調査 / 周波数特性 / 防音塀の効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は、保育園からの子どもの声の受忍限度評価の基準となる、子どもの遊び声の大きさに関する騒音の測定を、東京都世田谷区で5件、青森県八戸市で5件の計10件で実施し、それらの結果を取り纏めた。 園庭からの子どもの遊び声の大きさは、園児100名、距離10mで平均74dB、変動の上限では78dBであったが、瞬間的な最大値では90~94dBに達し、かなり大きなものであることが分かった。また、その周波数特性は、2000~4000Hzにピークのある甲高い音であることも多くの実測データの分析により明らかとなった。また、園庭でマイクや音楽を使用した時の測定も実施し、これにより園児の遊び声より大きなレベルの音が発生することも明らかとなった。 これらの測定結果を基に、防音塀を設置した時の減音効果を算定したが、子どもの声の周波数が高いため、高さ3m程度で20dB程度の効果があることが分かり、騒音防止の有効な対策手段となることも明らかとなった。また、今後同様な調査研究が行われるときの参考情報とするため、騒音測定条件や各種基準の測定評価時間の影響についても明らかとした。これらの結果を測定報告書にとり纏めるとともに、日本建築学会環境系論文報告集にも投稿しており、現在、査読中である。 これらの実績により、これまで明確ではなかった子どもの声の音響学的データーを整備することが出来たため、これを基に、28年度は子どもの声の受忍限度の考え方や解決に向けた話し合いにおける公平さを担保するための基準について、調査、検討を行う予定としている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗しており、順調である。研究実施にあたっての予想される困難も、現在は見当たらない。
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Strategy for Future Research Activity |
子どもの声の受忍限度の評価基準を明らかとするため、評価手法の提案を行った後、識者へのヒアリングやアンケート調査による検証を行い、最終評価手法を提案し、出版物やホームページ等により社会に公表してゆく。
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Causes of Carryover |
今年度は、10箇所の保育園で園庭で遊ぶ子どもの声の騒音測定を実施したが、測定実施期間に制限が有るため(寒くなると測定不可)、東京都世田谷区と青森県八戸市で平行して実施することとした。東京都世田谷区での測定は当初予定通りであるが、八戸市の分は著者研究室で担当したため、測定依頼費用が少なくなったもの。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度も、気候がよくなれば追加の測定を実施するため、前年度分の予算を一部使用することになるとともに、研究結果の纏めの報告書の出版や社会広報のための郵送費等が予想より多くなると考えられるため、全体としては計画時の予算通りとなるものと考えられる。
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