2015 Fiscal Year Research-status Report
マルチモーダルイメージングによる皮質内構造・機能・行動連関の解明
Project/Area Number |
15K12779
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, ユニットリーダー (50372115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
合瀬 恭幸 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, リサーチアソシエイト (70519404)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 皮質内分画化 / マルチモーダルイメージング / MRI / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は生体脳の高精度・高解像度のマルチモーダルイメージングにより大脳皮質内の構 造・機能連関を可視化しその意義を明らかにすることである。皮質内の構造であるカラムや層構造や領野は従来組織学的に同定されてきたもので生体脳における皮質内構造分画の同定や分画ごとの機能差さらに機能可塑性との関係は十分解明されていない。本研究期間内に、高解像度・高精度の機能的MRI、拡散MRI および高解像度PET の技術を結集し、生きた霊長類動物の大脳皮質層/領野の構造分画と機能の関係性を可視化し、個体レベルの可塑的行動との関係まで探る。今年度は、高精度なMRIの画像収集に必要な技術の整備を進め、MRI受信コイルの独自開発と最適化を中心に進めた。これにより信号ノイズ比向上、アレイ間ノイズ相関性の低下やラジオ波の浸透性の均一性向上など性能を改善することに成功した。また高空間解像度の拡散強調画像シーケンスの開発および高時間分解能の機能的MRI画像法の開発を進めた。またヒトおよびサルにおいてヒト脳プロジェクト(HCP)パイプラインを導入し、画像の前処置(位置合わせ、歪み補正、不均一性補正、分画化、皮質抽出、皮質マッピング)を行う解析処理を自動化、PET画像の部分容積効果を考慮した皮質機能解析法も確立した。これらにより種を超えてモダリティを超えて脳画像の標準解析システムが構築された。今後、生体脳におけるデータを収集し、皮質内分画化に基づくメゾスケールの神経機構・構造連関解明研究の意義を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マカクサル脳において高解像度の構造・拡散強調・機能的MRI画像を取得するためのマルチアレイ受信コイルを製作し、独自の手法によりRF透過性や信号・SNの空間的均一化を進めた。これにより非常に均一性の高い画像が取得できた。さらに高解像度の撮像を行うためにシーケンスの開発を進め機能的MRI画像法については、ヒト脳で2mm、マカクサルにおいて1.25mmの空間解像度で、また時間分解能(=繰り返し時間)は0.5-0.6秒ほどでどちらの種も撮像が可能となった。拡散強調画像においてはヒト脳で1.7mm、サル脳で0.9mmの空間解像度で撮像が可能となり、100方向以上の拡散強調画像の取得が10分程度で行えることを確認した。またマルチモーダル画像解析に必要な種間共通標準解析パイプラインを導入し、ヒト・マカクサルとも解析できる環境を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、画像撮像法の向上と、解析法の向上を進め、皮質内の垂直方向・水平方向の分節化に挑戦する。また同法により運動機能可塑性の神経機構解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究に使用する画像解析機器の手配に時間が要しており、来年度へ移行した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度以後に解析機器を購入する予定である。
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Research Products
(3 results)