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2015 Fiscal Year Research-status Report

被災地の復興に寄与するユニバーサルツーリズムの開発と実践

Research Project

Project/Area Number 15K12798
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

石塚 裕子  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80750447)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywordsユニバーサルツーリズム / 災厄 / 伝承 / 社会関係資本 / バリアフリー / 観光
Outline of Annual Research Achievements

1.被災地ツーリズムの現状と課題:福島県観光交流課ならびに調査対象である福島県いわき市において実施されている被災地ツーリズム2事例についてヒアリング調査を行った。行政、民間(旅行会社)、NPO等主体ごとに被災地においてツーリズムに取り組む目的が異なり、復興、まちづくりとの連携ならびに市民参加に課題があることが明らかとなった。また、関連ツーリズムとして、戦災(沖縄、アウシュビッツ)、公害(水俣、西淀川)をテーマとした資料館、ガイドツアーの事例調査を行った結果、災害の痕跡と体験者の語りの双方に継承の課題がある中、数十年経過した今も悲哀の語り難さがあり、非体験者に体験を分有することの難しさの要因となっていた。一方、修学旅行や社会学習への受け入れ事業が、地域内の被災者と非被災者のもやい直しとなり、新たな社会関係資本の構築にも寄与しており、被災地ツーリズムを検討する上で有益な視点が得られた。
2-1.ユニバーサルツーリズムに関する事例調査:2000年代から全国各地に設立されたユニバーサル(バリアフリー)ツーリズムセンター5箇所を対象に資料収集、インタビュー調査を行った。また、最も早い段階から取り組まれている神戸ユニバーサルツーリズムセンターを対象に、取り組み過程における社会的ネットワークの広がりについて調査を行っている。観光、福祉、まちづくりと分野を超えたネットワークが広がりが確認されている。
2-2.モデル地区での実施組織の立ち上げ:福島県いわき市のあるNPO法人いわき自立生活センターを事務局に「被災地に寄与するユニバーサルツーリズム検討会」の設立準備中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

27年度内に検討組織を立ち上げ予定であったが、28年4月下旬に第1回検討会を開催する予定である。また、いわき市内におけるツーリズムの現状と課題把握が不十分な面があり、補足調査も必要である。このため、やや遅れているといえる。
一方、関連事例調査の結果、戦災、公害をテーマとした体験学習、ツーリズムは、被災地ツーリズムより先行して取り組まれており、相違点はあるものの共通点も多く、さらに関連研究をレビューする必要があると考えている。

Strategy for Future Research Activity

4月下旬に「被災地の復興に寄与するユニバーサル・ツーリズム検討会」を立ち上げ、6月、9月,11月、2月の5回開催する予定である。11月には検討会で検討したモデルツアーを実施し、手学問理論を援用した五感を通じた伝承褒章について開発する。実施にあたっては、障害当事者、障害者支援組織、まちづくりNPO、観光関連組織(旅館、旅行会社)、行政など様々な主体と連携し推進していく。
第5回検討会(2月頃実施予定)は、実施結果に基づき、取り組みの成果の意義について、広く市民に周知していく場を設け、いわき市にユニバーサル・ツーリズムの普及啓発を図ることを予定している。
初年度の成果であるユニバーサルツーリズムセンターの社会ネットワークに関する調査結果については、日本福祉のまちづくり学会、土木計画学研究発表会、観光学研究発表会等で発表することを予定している。
本研究における実践活動が、いわき市の復興とユニバーサルツーリズムの普及促進につながるよう、取り組んでいく予定である。

Causes of Carryover

検討会の立ち上げが遅れたため、講師の謝金、交通費が減額となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

28年度に検討会を実施するため、その謝金、旅費として使用する。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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