2015 Fiscal Year Research-status Report
世界に向けた情報発信とその影響に関する分析を基盤にした日本アナーキズム史の再構築
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15K12818
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
田中 ひかる 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00272774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 千春 日本大学, 芸術学部, 研究員 (00598104)
櫻田 和也 大阪市立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70555325)
山本 健三 島根県立大学, 総合政策学部, 助手 (20737530)
小野 容照 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (00705436)
飛矢崎 雅也 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (80409432)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会思想史 / アナーキズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は予備調査を実施した。6月に東京で開催した第1回目の研究会では各自のこれまでの研究成果と本科研研究における研究計画を報告し、年度計画と2年目以降の計画について討議した。12月に大阪で開催した第2回目の研究会では年度内に進行中の研究、年度内もしくは次年度以降に発表する研究業績に関する研究報告を行い、進捗状況を確認し、次年度以降の計画について討議した。研究代表者田中ひかるは近現代日本アナーキズム運動における世界に向けた情報発信と国外のアナーキズム運動・反戦平和運動との関係に関する聞き取り調査を複数回実施し、また、8月に広島で科研に関わる研究会を開催し、研究分担者とともに聞き取り調査を行い、国外の研究者から研究報告を受けた。9月には静岡で開催された研究会で本科研研究に関わる口頭報告を行った。他方、国内外研究機関所蔵の日本のアナーキストによる世界に向けた情報発信と反戦平和運動への影響に関わる史資料を調査し、次年度以降の研究対象と調査方法等の方向性を定めた。研究分担者山中千春は国内の研究機関で20世紀初頭に刊行された雑誌等について調査し、次年度の方針を定めた。研究分担者櫻田和也は日本からの情報発信に関する資料調査・整理を実施するとともに、国内外の研究会等で科研に関連する報告を行い、それらに基づき次年度以降の本調査の方針を定めた。研究分担者山本健三は戦前の日本・朝鮮半島・ロシアにおける思想・運動について調査し、国内外で開催された研究会および国際学会で口頭報告を行い、これをもとにして次年度の本調査の方針を定めた。研究分担者小野容照は戦前の日本・朝鮮半島における思想・運動について検討し、次年度以降の本調査の計画の方針を定めた。研究分担者飛矢﨑雅也は大杉栄および現代日本社会運動に関して検討し、国外で報告するとともに次年度以降の方針を定めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的な文献の収集とその検討、聞き取り調査や研究会での報告を通じて研究対象の絞り込みについて見通しを立てる段階に達した。その結果データベース構築にも着手できた。科研研究会を公開で開催することによる研究成果の公表に至らなかったが、この点については、研究代表者、研究分担者の個別の研究会報告等でカヴァーしており、次年度には充実した報告会を開催することを通じてその実現を目指す。未開拓の先端的な研究領域であるため、先行研究がわずかであることにより、文献・史資料の探索や対象の絞り込みの検討に時間を要し、研究の枠組みの設定に関しても、いまだ検討の余地を残している。これに関しては、今年度に実施した文献・資料調査・収集に依拠しながら次年度には対象設定を目指す。以上の状況を総合的に捉えた結果、当初の計画はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
資料調査・収集をより充実させるため、次年度は計画通りに国外での調査を実施し、できるだけ広範な領域での資料調査を実施して情報を蓄積する。また、別の研究会等との合同研究会、あるいは、コメンテーターの招聘等により、研究をより広く社会に公表する道筋を作る。さらに、研究成果の発表を通じて、データベースの基礎となる情報の収集と整理をさらに進める。
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Causes of Carryover |
研究分担者飛矢﨑雅也は、2015年度末に国内研究機関で史資料調査を実施する予定であったが、研究代表者田中ひかるが調査等で収集した史資料に関する分析結果を踏まえるべきであるとの判断に基づき、調査を次年度に延期した。そのため、次年度使用額23,900円が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者田中ひかるが収集した史資料の分析結果を2016年度前半までに出した後、その結果に基づき、研究分担者飛矢﨑雅也が、2016年度後半に前年度実施予定だった文献・史資料調査を改めて実施することで前年度未使用額を執行する。
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Research Products
(32 results)