2015 Fiscal Year Research-status Report
田安徳川家旧蔵の入木道伝書の分析を起点とした社会知の生成と流通に関する研究
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15K12854
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
海野 圭介 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (80346155)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 入木道 / 書道 / 伝書 / 田安徳川家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画書で提示した4点の項目に即して資料調査と討議を行った。 ① 田安徳川家旧蔵の入木道伝書の書誌学的調査 田安徳川家旧蔵の入木道伝書167 点のうち100 点の調査を行ない、その奥書・識語に記される人物名等を抽出し、伝書を介した人的交流やネットワークの分析のための基礎資料をデータ化した。 ② 他流の入木道伝書及び和歌・茶道・画論などの隣接領域の伝書との発想・語彙・用例等の比較検討 主として和歌に関わる伝書との用語や比喩等の用例の比較検討を行った。 ③ 版行された入木道書の淵源の探求 国文学研究資料館に所蔵されるマイクロフィルムから入木道に関連すると目されるタイトルを持つ資料を調査し、一覧化した。 ④「書」をはじめとする諸道伝書を研究する手法の確立 伝書の持つ思想の分析とその英語による発信について、連携研究者、研究協力者と討議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
① 田安徳川家旧蔵の入木道伝書の書誌学的調査 計画通りに100点の調査を行った。計画通りに進行している。 ② 他流の入木道伝書及び和歌・茶道・画論などの隣接領域の伝書との発想・語彙・用例等の比較検討 歌道伝書を中心におおむね計画通りに進行している。 ③ 版行された入木道書の淵源の探求 国文学研究資料館所蔵マイクロフィルム資料の全資料を対象として、キーワードから抽出されるものを394点をリスト化した。 ④「書」をはじめとする諸道伝書を研究する手法の確立 各ディシプリンの有効とする方法や評価に対する差異などについての討議を行った。国際展開については意見交換にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
① 田安徳川家旧蔵の入木道伝書の書誌学的調査 次年度中に全点の調査を完了する。 ② 他流の入木道伝書及び和歌・茶道・画論などの隣接領域の伝書との発想・語彙・用例等の比較検討 継続的に行う。 ③ 版行された入木道書の淵源の探求 計画よりも早くほぼ全点のリスト化が完了したため、分析を進める。 ④「書」をはじめとする諸道伝書を研究する手法の確立 国際展開については討議対象者を増やして対応する。
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Causes of Carryover |
研究計画の4点の柱のうち、④「書」をはじめとする諸道伝書を研究する手法の確立 の分野で招聘を予定していた在外研究者の予定変更があり、再度日程調整を行い、次年度以降に招聘または国内研究者が渡航することで実現することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度招聘予定であった研究者と予定の再調整を行なう。招聘が不可能となった場合は国内研究者が先方に赴きデータの開示と討議を行う。
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Research Products
(4 results)