2016 Fiscal Year Research-status Report
グリーン・ツーリズムにおける効果的な日本語支援のための基礎的研究
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15K12896
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Research Institution | Aomori Chuo Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 真寿美 青森中央学院大学, 経営法学部, 講師 (90557795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 香織 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (40400618)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 異文化コミュニケーション / 異文化理解 / 日本語教育 / グリーン・ツーリズム / 農家民泊 / 外国人参加者 / コミュニケーション意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.調査の実施:H28年度は前年度調査の分析・考察をさらに進めること、また、さらにデータを取得することとなっていたので、民泊での夕食作り、食事場面を中心にデータを録画・録音した。それを分析し、コミュニケーションが停滞している部分を特定した。その結果、外国人参加者に事前指導すべき語彙・表現がさらに明らかになった。また、コミュニケーション上の問題について、受け入れ先の日本人にプレ調査として短いインタビューを行い、日本人側はコミュニケーション問題をそれほど強く認識していない可能性があることがわかった。これは継続して調査する。さらに、外国人参加者を送り出すタイの大学のプログラム責任者らに民泊でのコミュニケーションの意義等を聞いた結果、外国人参加者には日本語能力に合わせ、コミュニケーション意欲を支える新たな指導方法が必要だとわかった。これはH29年度の指導に生かす。 2.教育への応用:前年度調査で、民泊での接触場面では必要とされるものの従来の事前教育では不足していた語彙・表現を明らかにしたので、その指導を行った。 3.調査結果の発表:上記1の調査で見られたコミュニケーションの停滞を教育的な面(事前の意欲喚起)から考察し、タイ国日本語教育研究会第29回年次セミナー分科会にて発表した。また、上記2の指導について、これまでの指導の内容を概観し、新たな指導の試みとして位置づけた論文を『青森中央学院大学紀要』に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ数の少なさ:予定では、グリーン・ツーリズムの各主体を調査対象者にすることとなっていたが、行政、受け入れコーディネータ(年度途中で退職)にインタビューできなかった。また、実施プログラム数が少ないため、データの取得が限られた。
人的要因:研究分担者が年度途中で他機関に異動したため、調査分担内容等を再考したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.各種主体へのインタビュー:特に、受け入れ日本人側の異文化コミュニケーションへの態度を明らかにする。
2.教材作成:最終目的が外国人参加者・受け入れ日本人双方のコミュニケーションの助けとなる教材を作ることであるので、その作成に向け着手する。
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Causes of Carryover |
調査日が少なかったため、旅費の執行が少なかった。また、予想以上に翻訳作業が順調に進み、アルバイト代の執行が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、日本人学生のアルバイトを調査補助として雇う予定なので、アルバイト代がの執行が増える見込みである。また、昨年度調査の経験より、撮られる側の心理を考慮すると、データ記録はタブレット型端末での録画が望ましいという意見が出たため、その購入のための支出が生じる見込みである。
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Remarks |
本研究に関係するものとして、標記会議において行ったパネルディスカッション「グリーン・ツーリズムを通して見た外国人支援の形」の資料を掲載している。
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