2016 Fiscal Year Research-status Report
社会実験的アプローチによる地方都市の複言語・複文化教育モデル構築と地域活性化検証
Project/Area Number |
15K12904
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
熊野 真規子 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (50215026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 複言語・複文化教育 / 異文化間教育 / まちづくり / グローカル / 社会実験 / サービスラ-ニング / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
外国語教育・大学教育・まちづくり(グローカル人財育成、市民性形成と地域活性化)の新たなモデル構築(特に多言語・多文化状況にない地方都市における)に向けて以下を実施。 1.前年度のリフレクションに基づいて教育プログラムの改良を行い、前期に加えて後期の授業も試行し、前・後期2年間の教育プログラムの雛型の完成 2.履修生を「弘前×フランス」プロジェクトにモデルとして参画させ、参与観察およびインタビュー、リフレクションのアンケート調査の土台として、地域団体との連携による「まちなか企画」、放課後子ども教室を実施のほか、学生主体活動の集大成としての9月末のイベント(「フランス日和~マルシェ2017」)を実施。履修生を対象とした連携研究者による学生主体イベント当日の参与観察、イベント翌日に実施した慶大生と弘大生とのディスカッション交流実施と参与観察。学生主体イベント前後の「弘前×フランス」週間では、前年度のリフレクションに基づいて実験的に地域連携・協賛企画を強化。各イベントでは、参加動機、フランス語・フランス文化への関心度、気づき等の基本的なアンケート調査を実施〔9月〕 3.今後の研究連携に向けての予備調査を兼ね、慶大生と弘大生による宮城学院女子大学クリスマス・マーケット参加、および前日の3大学学生によるディスカッション交流の参与観察。クリスマス・マーケットの運営と企画についてのアンケート、ディスカッション交流についてのふりかえりアンケート、および弘大生(履修生)を対象としたインタビュー〔12月〕 4.年度末のリフレクションのワークショップの実施とその参与観察〔2月〕ほか、以上の研究成果についての論考発表、国内外学会発表。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・社会実験的研究の土台となる複言語・複文化環境(フランス語モデル)のプロデュースについては、基本的アンケート調査の実施に加えて、これまでのプロジェクト活動の蓄積や「弘前×フランス」週間を中心とした地域連携の規模拡大、行政とのタイアップなどにより、社会実装的な貢献ができた点で、順調 ・「弘前×フランス」プロジェクトへの参画を地域志向プロジェクト型授業として前・後期試行し、参画学生を対象とした参与観察、アンケート、インタビューを実施できたこと、特に後期授業化によって授業プログラムについてのよりていねいなリフレクションや継続的な参与観察ができた点で、順調 ・計画どおりの年度末の研究発表のみならず、国際学会での発表や学会のシンポジウムのテーマとしてとりあげられ発表を行うなど活発な成果報告が行われた点で、順調 ・前年度実施できなかった「ワークショップ・ツーリズムを通じた学生交流」については、宮城学院女子大学のイベントにプロジェクト経験者の2大学生が合流し、さらに現地学生と交流するという形で実施でき、今後の研究の推進方向についての予備調査としても意義深かった点で、順調 ・中高生を対象とするアンケート・インタビュー調査にかえて小学生のアフタースクール事業と連携したが、「言語への目覚め活動」は一度しか実施できず継続的な調査に発展させることができなかった点で、再度方向性の修正を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
・最終年度に入り、今後の研究の推進に向けて、連携する研究者との打合せ、予備調査などを含めて実施していく。 1.複言語・複文化教育プログラムとしては、本年度はじめて2年にわたる試行プログラムを継続する学生が複数名いること、互いに交流経験を積んだ慶大生も複数名いることから、継続的な参与観察・インタビュー・アンケート調査を実施し、比較考察によって研究を深化させる。 2.複言語・複文化教育プロジェクトのこれまでの蓄積を活用した県内の他地域でのワークショップ実施(青森県むつ市、高校生との交流)をつうじた予備調査(9月中旬)、学生と市民との協働の学びのプログラムの予備調査として、イベントの地域連携者、参加市民などへのインタビューなどを行う。 3.昨年度新たに研究交流がはじまった宮城学院女子大学の学生の9月イベント参加・ディスカッション交流の参与観察・アンケート調査や、プロジェクトに関心を持つ研究者らとの交流により、今後の研究の方向性について固めていく。 4.「ワークショップ・ツーリズムを通じた学生交流」について、これまでとは逆に慶應SFCを弘大生が訪れる交流による気づきを検証する。
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