2017 Fiscal Year Research-status Report
商人・難民ディアスポラと近世社会:トランシルヴァニアのブルガリア人とアルメニア人
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15K12942
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
秋山 晋吾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50466421)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ブルガリア人 / ディアスポラ / アルメニア人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度(平成29年度)から、研究内容が密接に関連する科研基盤B「近世・近代のヴラーフ人の移動と集団形成に関する基礎的研究」(研究代表者:秋山晋吾)、および、科研基盤B「近世ユーラシアにおける宗教・交易ネットワークとアルメニア人」(研究代表者:守川知子(東京大学)、研究分担者:秋山晋吾など)のプロジェクトが開始されたため、相互の研究内容の関連性を整理し、スムーズな接続を実現するため、本研究課題の研究期間を1年間延長する。 本課題の研究の一環として、ハンガリー国立文書館所蔵の史料を用いて、18世紀のアルメニア人都市ゲルラ(サモシュウーイヴァール)とその近郊の村の住民の日常生活における相互接触を分析した書籍を執筆し、平成30年4月に刊行する。 また、平成29年4月・5月に、科研費技術員を雇用しての資料整理を行い。その成果の一部として、「史料としてのハプスブルク『軍人職階表』」(『一橋社会科学』第9巻)を発表した。 「近世・近代のヴラーフ人の移動・・」は、17世紀から20世紀のバルカン半島南部から中央ヨーロッパにかけて移動・定着した「ヴラーフ」の移動の原因とプロセスを跡付け、国民国家におけるアイデンティティの形成とその直面する困難、社会からの包摂と排除の変遷を、研究分担者・連携研究者ら計8名のプロジェクトチームで調査研究を行うもので、近世トランシルヴァニアのブルガリア人・アルメニア人ディアスポラの形成を研究テーマとする本研究をより幅広い視野に置くものである。 「近世ユーラシアにおける・・」は、東ヨーロッパに限らず、西アジアからインド亜大陸、東地中海にかけて広範囲に活動した近世のアルメニア商人ネットワークを、西アジア史研究者、地中海研究者らと研究するもので、本研究のトランシルヴァニアにおけるアルメニア商人ディアスポラは、そのケーススタディの一つとして位置付けることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究期間である3年間(平成27~29年度)で、ハンガリー国立文書館およびルーマニア・トランシルヴァニア・ローマ・カトリック司教区文書館での調査・資史料収集はほぼ終了し、成果の発表と準備も進んでおり、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の1年間期間延長の理由である、他の2科研プロジェクトとの連関を整理するため、補足的な調査をハンガリーおよびルーマニアにて行うほか、成果の公表とその準備を進める。
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Causes of Carryover |
本研究の最終年度(平成29年度)から、研究内容が密接に関連する科研基盤B「近世・近代のヴラーフ人の移動と集団形成に関する基礎的研究」(研究代表者:秋山晋吾)、および、科研基盤B「近世ユーラシアにおける宗教・交易ネットワークとアルメニア人」(研究代表者:守川知子(東京大学)、研究分担者:秋山晋吾など)のプロジェクトが開始されたため、相互の研究内容の関連性を整理し、スムーズな接続を実現するため、本研究課題の研究期間を1年間延長し、補足的な調査をハンガリーおよびルーマニアにて行うほか、成果の公表とその準備を進める。
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Research Products
(2 results)