2015 Fiscal Year Research-status Report
行動経済学的アプローチによる家計運営モニタリング尺度の開発
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15K13123
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神谷 哲司 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60352548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 龍一 東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60422622)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家計 / モニタリング / 夫婦 / 結婚 / 批判的思考 / ファイナンシャル・リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
家計運営のあり方について検討するため,本課題の先行課題である,ファイナンシャル・リテラシーの動向についてまとめる中で,批判的思考の重要性が指摘できること,さらに,批判的思考について,認知的側面である能力やスキル,情意的側面である態度や傾向性といった2 つの側面を持つこと(Ennis,1987),さらに,批判的思考態度は「論理的思考への自覚」,「探究心」,「客観性」,「証拠の重視」の4 因子から構成されていること(平山・楠見,2004)など,先行研究の知見を蓄積しつつあるところである。また,大学生の家計運営に対する意識を訪ねる質問紙調査を行った。 また,先行課題からのまとめの論文化を進めるとともに,日本発達心理学会において,「家計管理・運営に関する夫婦間相互調整と結婚満足度」を発表(2016年5月予定)することとした。本発表では,妻も夫も共に,家計のことでケンカをするなどの不和を体験することによって自身の結婚満足度が低下すること,また夫の家計に関する不和の認識は妻の結婚満足度とも関連するが,妻の不和の認識は夫の結婚満足度に関連せず,夫ではむしろ,夫自身が,家計の管理や運営について夫婦二人で話しあっていると認識していることが高い結婚満足度と関連していることが示されていた。 その他,夫婦に関する実績としては,柏木惠子・平木典子(編)『日本の親子』に「親としての発達」を寄稿するとともに,立命館大学の宇都宮博教授とともに『夫と妻の生涯発達心理学』の編集を行い,担当章において,夫婦研究において家計管理に着目することの重要性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の先行課題であった「家計を中心とした経済リテラシーに関する生涯発達的研究」の研究期間を平成27年度まで延長し,本調査を実施したため,本研究課題の遂行に若干の支障をきたした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,関連する文献を収集していくとともに,昨年度データを収集した質問紙の予備的分析を行う。また,ファイナンシャル・プランナーや若者の自立支援にかかわる児童福祉施設職員(自立支援ホームや地域若者サポートステーション)といった,お金に関する指導を行う専門家へのヒアリング調査を行うとともに,さらに「家計運営モニタリング」の概念整理を進めることとする。
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Causes of Carryover |
本研究の先行課題であった「家計を中心とした経済リテラシーに関する生涯発達的研究」の研究期間を平成27年度まで延長し,本調査を実施したため,本研究課題の遂行に遅延が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度実施予定であった,専門家へのヒヤリング調査や予備調査などで執行予定。
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