2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K13154
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Research Institution | Ikenobo Junior College |
Principal Investigator |
山中 祥子 池坊短期大学, その他部局等, 准教授 (30580021)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食の統制 / 潜在的態度 / 接近・回避 / 身体運動 / 態度変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度予定していた身体状況の変化による食物に対する潜在的態度の形成および変化については、若干の遅れがみられるものの概ね予定通り進められている。今年度の具体的な検討内容は、参加者の上腕を収縮させる動作が食品に対する接近性を高め、逆に上腕を伸張させる動作が食品に対する回避性を高めることについての検証であった。そこで、予定していた手法に加え、異なる2つの手法を用いて検討したが、それぞれの手法により予測していたような一貫した結果が得られず、また、その原因についての検討に時間がかかり、論文化、および学会発表には至らなかった。以上が、若干の遅れが生じた理由である。
一貫した結果が得られなかった理由としては、収縮させる方法により、腕の動かし方の個人差にが大きくなる場合があり、身体の動きと接近性および回避性との間の連合がうまくできなかった可能性が示唆された。つまり、上腕の収縮および伸張動作が明確に区別されるか否かが、重要であると考えられることから、次年度以降は操作レバーを用いて、手前に引く(接近)、または押す(回避)という動作との連動が明確になるような実験手法に切り替え、引き続き検討していく予定である。
また次年度より実施予定である食器を用いた検討に使用する食器の選定を行い、予備調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は上腕の収縮及び伸張による態度変容について、データの収集を予定していた実験手法に加え、さらに異なる2種類の手法を用いて実施したが、それぞれの手法で一致した結果が得られなかった。しかし、これらのデータを分析することにより、その理由が収縮・伸張させる回数の多さによる疲労や、収縮・伸張といった動きがあいまいとなる場合等の影響が明らかになった。 したがって、次年度以降は、その改善策として操作レバーを用いた新たな実験プログラムによる実験を計画し、さらなる基礎データを蓄積し、発表する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の改善策に従い、再度、新たな実験手法を用いた上腕の収縮および伸張運動を用いた食物に対する潜在的態度の形成および変容についての検討を行う。
また食器の使い方についても、今年度の予備調査分ではデータが不足していることから、再度参加者を募り、データを蓄積していく。
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Causes of Carryover |
今年度は旅費の使用がなかった。これは、学会発表をすることができなかったためである。 また謝金についても執行がなかった。これは、学内でボランティアによる参加者募集をおこなったこと、また食器に関する予備実験についても、予備実験で使用する食器を参加者に提供することで、謝金に代えることができたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した旅費を合わせて、次年度以降は学会発表件数を予定より多く行うこと等により、使用する計画である。
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