2016 Fiscal Year Research-status Report
学生及び住民のレジリエンス向上に対するサービスラーニングの教育的効果に関する研究
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15K13183
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
辻田 宏 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (90197690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石筒 覚 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (50314977)
内田 純一 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (80380301)
湊 邦生 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (70534907)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サービスラーニング / 実習授業 / 地域 / 学生 / 住民 / レジリエンス / 教育効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
【外国調査】サービスラーニング(以下、SL)に関する先進事例や、受入地域側の実態について把握するため、2016年10月24日から28日にかけて米国オレゴン州ポートランドにて調査を行った。まず、NPO “Elderly in service”にて日米における大学・地域間協働による地域づくりの取り組みの実態および背景についてヒアリングおよび意見交換を行い、続いて、SLの体系的な取り組みで知られる米国ポートランド州立大学で開講された「コミュニティベース教授法ワークショップ」において、ポートランド州立大学におけるSLのシステムについて解説を受けるとともに、実際の授業を見学した。また、SLの受入地域に直接ヒアリングを行うことで、地域側の反応や変化の実態を知ることができた。 【国内調査】2016年3月24日に国際基督教大学にて開催されたSL全国ネットワーク会議に出席し、同大学、明治学院大学、桜美林大学、岡山大学等のSLの実施状況のヒアリングを行った。 【アンケート調査】SLを受け入れる地域の人々および参加する学生のレジリエンス計測のために、2016年度に調査票調査を実施した。このうち地域の人々を対象とする調査は、高知大学地域協働学部の地域実習2地域、高知市土佐山地区および南国市稲生地区において、5~6月にかけて集合調査法により行った。学生に対しては、2016年度に同学部に入学した学生を対象として、入学直後および第2学期終了時期の2回、集合調査法による調査を実施した。主な調査内容は、レジリエンス計測設問および対象者の基本属性(性別・年齢・家族構成)、対象者のレジリエンスへの影響が考えられる項目(生計・生活満足度、地域側の学生との活動経験、学生の大学生活満足度)に関するもので、調査結果については調査票の回収後に入力、集計を済ませており、2017年度に分析を行い改善・実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.学生及び住民に対するアンケート調査を実施し入力・集計を済ませたが、繁多な学内業務に忙殺され、分析がまだである。2017年度に予定されている教育効果を測定する最終アンケートまでにはその分析を行い、最終アンケートの内容に反映させると共に最終アンケートとの比較・分析を実施し、教育効果の検証を行いたい。 2.上記の分析が遅延している影響で、学生と住民の同時的・一体的レジリエンス向上のためのサービスラーニングプログラム及びその教育効果を検証する「総合的検証プログラム」の開発が遅れている。 3.海外の調査は、日程が合わなかったこととポートランド大学におけるサービスラーニングの研修プログラムに参画したほうが本研究により効果的でメリットがあるという判断から、予定を変更して実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.アンケートの集計結果の概要から、短期間では教育効果や住民の変化を測定することは難しいと判断し、2017年度の実習がほぼ終了する2017年末の時期を目途に学生及び住民のアンケートを実施し2016年度4月に実施したアンケートとの比較・分析を行う。なお、今後のことも踏まえ、2017年5月に学生アンケートは実施しておく。 2.学生と住民の同時的・一体的レジリエンス向上に資するサービスラーニングのプログラム開発については、10月までに確定版を作成し、サービスラーニングの教育効果を検証する「総合的検証プログラム」の開発に繋げたい。 3.研究の成果報告については、全米サービスラーニング学会での発表を視野に準備するが、他に適切な場と機会があればそれへの変更も検討したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、実習地域でのアンケート調査における人件費・謝金の使用がなされなかったことによる。特に、実習に参画している住民以外の広範な住民対象のアンケート調査が行われなかったことが大きい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度は、本研究の最終年度であり、17年末に住民対象の広範なアンケート調査を実施し、謝金の確実な執行を行う。
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