2015 Fiscal Year Research-status Report
宗教系団体等が所蔵する幻燈史料の記録化と分析による道徳観成立へのアプローチ
Project/Area Number |
15K13194
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Research Institution | Naragakuen University |
Principal Investigator |
山本 美紀 奈良学園大学, 人間教育学部, 准教授 (60570950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊崎 一夫 奈良学園大学, 人間教育学部, 教授 (10574113)
阿尾 あすか 奈良学園大学, 人間教育学部, 助教 (30523360)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キリスト教文化 / 幻燈 / 大衆芸能 / 教会音楽 / 音楽教育 / 近代 / 救世軍 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の対象とする資料について、①山室軍平記念救世軍資料館において、『平民之福音』初版本について調査を進め、さらに大正期~昭和期にかけて製作されたと思われるスライドについての調査を行った。また、②Salvation Army International Heritage Center にても同様の調査を行い、初期からの楽譜集、また”The War Cry”の日本についての特集記事を収集した。 これらの成果により、以下の論文を執筆。 「初期救世軍軍歌と日本製Tuneの登場―キリスト教の大衆化と近代日本キリスト教音楽文化をめぐって―」 「山室軍平『平民の福音』および、救世軍所蔵幻燈用ガラススライドにみる近代日本における人間教育と宗教 -大衆とキリスト教との出会いを巡る一考察―」
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であるH27度は、1.先行研究・宣教師文書等による、地方の幻燈上映状況の把握と史料確認及び、収集。2.先行研究による、海外の幻燈上映状況の把握と史料確認。3.収集資料のデジタルデータ化とその目録化への試案作成準備であった。これら3つについて、いくつかの論文執筆を通して、次年度に続く見通しが持てたため。特に実際の資料から得たインパクトにより、さらに類似した資料の可能性が示され、他分野での研究成果との相乗的な研究の深まりが考えられるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに、1.国内外の幻燈上映状況の把握と史料確認及び、収集。及び保存支援。2.幻燈作品そのものと上映の場について、国内外の比較検討、を通して、実際の上映の場で、道徳的内容としてどのようなことが大衆に向けアピールされたのか、またそれが、国内外で関係があるのか無いのか、などについても合わせて分析していく。これらの研究により、近代以降、地域と世界との道徳観がどのように共有され、また変化していったかを検討したい。 また、3.デジタル化と目録作成及び、インターネットでの公開と史料所蔵機関同士のネットワーク化にむけたシステム準備を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
専門的知識の提供者について、研究の実質的側面の必要性から来年度に持ち越された部分があり、助言を得た回数が当該年度初めの予定よりも少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に持ち越された部分への専門的知識の提供がされるため、人件費に含まれる予定。
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Research Products
(2 results)