2015 Fiscal Year Research-status Report
低学年児童における保護者による学習支援の実態把握と低学力の改善に関する研究
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15K13218
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Research Institution | Japan International Cooperation Agency (Research Institute) |
Principal Investigator |
亀山 友理子 独立行政法人国際協力機構(研究所), その他部局等, 研究員 (10747314)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習到達度 / 途上国 / 国際教育開発 / 保護者 / 社会経済的背景 / 非認知能力 / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
カンボジアを事例国として、保護者の学習支援活動における具体的な行動及びその資源、子供の学習環境や学習意欲を詳細に明らかにし、これらの要素と学習到達度の関係について解明することを目的としたものである。近年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)や学習到達度調査(PISA)に途上国が参加するようになり、途上国の平均的な低学力の問題が顕著になった。先進国対象の研究において、保護者の資本は子供の学力の重要な決定要因の一つだと了知されている。一方、途上国対象の研究においては、学校や教員の要因と子供の学力の関係を分析した先行研究は数多いが、保護者の学習支援活動と子供の学力の関係を分析した先行研究が僅少となっている。 本研究の初年度は、先進国及び途上国における保護者の学習支援活動に関する先行研究の収集・分析、質問紙調査における質問項目内容の情報収集・整理、カンボジアにおけるフィールド調査の協力体制の構築、日本国内における研究協力体制の構築を行った。特に、質問項目の情報収集・整理については、研究計画当初は学習到達度のみの調査を予定していたが、カンボジアの子供の家庭生活や学習を取り巻く問題を鑑み、学習到達度としての認知学力テストの他、非認知能力に関しても質問項目に入れることとした。また、保護者の具体的な学習支援活動に関する質問項目は、日本国内にて実際に如何なる活動がどの程度、どのくらいの頻度で行われているか、保護者からの聞き取りを行い、カンボジアへの政策示唆も見据えた質問項目の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を開始するにあたり、関係各所の調整に時間を要したこと、調査対象となるカンボジアの小学校の新学期開始時期が変更となったこともあり、予定より現地調査が遅れている。このような状況であったため、先行研究の収集・分析、質問票の質問項目の整理など、準備を入念に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度前半は、先行文献及び資料の分析・整理、質問紙の質問事項の精査を目的とした、国内における聞き取り調査を行う。また、本年度の大きな活動となる定量データ収集を11月に予定しているため、6月から現地調査の準備に取り掛かる。データ収集前に、調査員トレーニング、プレテスト等実施のため、現地調査を行い(9月~10月)、定量データ収集後のフォローアップ調査として、定性データの収集を予定している(12月)。その後は、データ分析及び執筆活動に邁進する予定である。
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Causes of Carryover |
研究開始に、関係各所の調整に時間を要し、調査対象である学校の新学期開始時期が変更となり、データ収集活動が遅延しているためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度予定していた定量データ収集、その事前調査及びフォローアップを本年度実施する。
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