2015 Fiscal Year Research-status Report
高等教育機関における障害学生の修学支援に対する包括的エビデンスの構築
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15K13250
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
植田 健男 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10168627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛介 名古屋大学, 学生総合相談センター, 講師 (30632153)
望月 直人 大阪大学, キャンパスライフ支援センター, 准教授 (20572283)
村田 淳 京都大学, 学生総合支援センター, 助教 (00742305)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 障害学生 / 合理的配慮 / 修学支援 / 障害者差別解消法 / 高等教育機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育機関において障害学生に対する持続可能な修学支援体制の維持や、一般化可能な質の高い支援方法論の発見に資するエビデンス構築のため、全国の障害学生支援現場対象の調査を実施する。具体的には、1)大学の障害学生支援組織体制、2)障害学生支援担当者の意識や取り組み、3)障害学生支援ボランティア学生の意識や動機付け、4)支援利用学生の意識と一般学生の障害学生に対する意識などを、web上に設置したアンケートと構造化面接形式のインタビューにより収集し、かつそれらの関連を検討する。 大学によって障害学生支援体制(例、予算規模、支援に携わる教職員の有無や数など)、は多様である。他にも組織体系の違いや全学的な教員によって構成される委員会の有無なども挙げられる。こうした障害学生支援における大学環境要因をアンケートおよびアーカイブデータにより収集、統制した後、障害学生支援担当者の取り組みや意識が、障害学生支援ボランティアの学生の支援動機付けやコミットメントレベルや、障害学生の満足度、主体性やエンパワメントレベルなどに与える影響を検討する。 また、支援ボランティア学生の確保や養成、彼らの支援に対する動機付けの維持は、持続可能な障害学生支援を実施するために必要不可欠である。そこで、ボランティア学生の支援動機や支援技術を保持するための各大学の取り組みを明らかにし、その支援ボランティア学生および障害のある学生への効果等も検討する。 初年度は、第一回調査2015年度末に実施する予定であったが、調査項目の選定等に予定以上に時間を要してしまい、調査を2016年6月に実施時期を変更した。その準備は既に完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、名古屋大学、京都大学、大阪大学の障害学生支援に係わる研究者に加えて新たに東京大学バリアフリー支援室の教員2名が研究協力者としてプロジェクトに参画した。アンケート調査項目の選定(①高等教育機関の障害学生支援担当者用、②障害学生支援活動を展開している登録学生サポーター用、そして③障害のある学生用)、アンケートのウェブ上への設置、調査に関する依頼状等の作成・封入など大規模調査に関する準備は完了し、いつでも調査開始ができる状況にある。研究倫理審査の結果を待っている状況であるので、審査結果通知後、6月中に第一回調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、アンケート調査項目の選定、アンケートのウェブ上への設置、調査に関する依頼状等の作成など大規模調査に関する準備は完了している。研究倫理審査の結果を待っている状況であるので、審査結果通知後、6月中に第一回調査を実施する予定である。その後、第一回調査データの解析を行うと同時に、第二回目調査のため、調査項目の一部変更を行う。第二回目調査は2016年度末に実施する予定である。また、第一回目調査において、インタビュー調査に協力の意思を表明した障害のある学生への構造化面接項目の選定を行い、適宜インタビューを実施していく。なお年度末には、得られたデータを元に、論文執筆や学会発表等といった得られた知見に関する情報発信の準備を行う。
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Causes of Carryover |
Qualtricsと呼ばれるweb上アンケート設置ソフトウェアの2年間契約料を計上していたが、調査実施の遅れによりその契約料が1年間分の契約で済んだためである。しかし、実施予定の大規模調査回数2回に関しての変更はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Qualtrics契約期間料金が1年で済むため、使用しなかった研究費は、大規模調査、及びインタビュー調査に伴う費用に充てる。
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