2015 Fiscal Year Research-status Report
コミュニティ通訳者を対象とした学術手話通訳者養成プログラムの開発
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15K13252
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
中野 聡子 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, プロジェクト研究員 (20359665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 大介 豊田工業大学, 工学部, 教授 (00329822)
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 教授 (50323324)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育系心理学 / 言語学 / コミュニティ通訳者 / 学術手話通訳 / 養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度はコミュニティ手話通訳者のほとんどが使用している中間型手話の言語構造について,特に日本語から日本手話への同時通訳における,複合語の訳出表現に焦点をあてて分析を行った。 通訳技術のレベルが異なる5名の通訳者について,複合語の訳出のわかりやすさ,わかりにくさに影響を与える要因を調べた。わかりにくいと評価された訳出表現は,内容の理解に起因すると考えられるもの,対訳となる手話表現が日本手話の文法に正確に則って表現されていないためわかりにくくなっているものの2つに分類された。後者は具体的には通訳の受け手にとって複合語がひとつの単語と認識される表現方法になっていないことが指摘できる。 手話表現の文法に則っていないものとしては,「空間の移動」「リズム」「うなずき」「手の動きの弱化・消失の非生起」が関与していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コミュニティ手話通訳者の訳出の特徴について,複合語に絞って言語学的な観点も加えた詳細な分析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
手話を母語または第一言語とするろう者による手話通訳のデータを採取し,一般の手話通訳者との比較分析を進める。 また,本分析から得られた知見をもとに,コミュニティ通訳者を対象とした研修会を開催する予定である。
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Causes of Carryover |
分担研究者の分担金の使用がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アルバイト雇用及び分担研究者が来阪して研究打合せを行うための出張費として使用する。
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Research Products
(3 results)