2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of surface contamination measurement with a scintillation film
Project/Area Number |
15K13473
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 晴雄 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (90400233)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表面汚染測定 / 極低放射能環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面汚染を起こしている放射性不純物を検出するため片面に感度を持たせる方法としてシンチレーションフィルムと普通のフィルムをラミネーターで溶着させることでそれを実現させた。ラミネーターの加熱によってシンチレーションフィルムの発光に大きな影響がないことと、フィルム間に空気層がなくなるためそこでの全反射が抑えられ結果として取得できる発光量が増加することが確認できた。またラミネーターを通過させるという行為によってシンチレーションフィルム自身が汚染されないことが放射性不純物質量分析解析によって判明し、片側感度を持たせるためにラミネーターを用いることが効率的であると判明した。また市販のラミネート用フィルムでは放射性不純物量が多いことも判明し、きれいなラミネート用フィルムを用意する必要があることも判明した。 このラミネートしたフィルムを用いてアルファ線源やベータ線源を用いて測定を行ったところ、信号波形から放射線が光電子増倍管で発光を起こした反応とフィルムで発光をお起こした反応が明確に区別できることが判明した。またベータ線がフィルムで発生させた発光が、シンチレーション光によるものかチェレンコフ光によるものかも区別できることが判明し、本研究での最も多い背景事象である環境由来のベータ線事象が信号波形だけでかなりの量除去できることが判明した。さらにアルファ線とベータ線でシンチレーション光の発光時間分布が異なることが確認され、その波形分別によりアルファ線取得割合90%のところで背景事象として混入してくるベータ線信号の割合が11%であることが分かった。また新たな波形分別関数を定義することで、このベータ線信号の割合が8%にまで改善できることが判明した。 この研究成果は澁川友菜さんの「シンチレーションフィルムによる表面汚染測定法の開発」という修士論文にまとめられた。
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