2015 Fiscal Year Annual Research Report
シンチレーションファイバーとPPDを用いた高性能荷電粒子測定器の開発
Project/Area Number |
15K13477
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河合 秀幸 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60214590)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線測定器 / シンチレーションファイバー / 大面積 / 高位置分解能 / 安価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の申請書に掲げた目標は、有効面積0.2平方㍍程度の荷電粒子位置検出器(X,Yのセット)を500万円程度で製作する、というものであったが、研究の成果は以下のように目標を上回るものであった。但し本測定器で用いている直径0.2mmのシンチレーションファイバー(Scintillation Fiber)を世界で唯一製造しているクラレトレーディング社が2016年1月に価格を2万円/kmから7万円/kmに値上げしたため、以下の文中の最初の価格はSF値上げ前の、括弧内の価格はSF値上げ後の予想値である。 有効面積2平方㍍で位置分解能が標準偏差で0.1mmの測定器1台は、直径1mmのSF4kmと有効面積6mm×6mmのPixelized Photon Detector64個を用いて、素材価格の総和で300万円で製造できる。さらに位置分解能0.02mmを得るには、直径0.2mmのSF20kmとPPD20個を追加して、追加費用80万円(200万円)で製造できる。 有効面積20平方㍍で位置分解能2mmの測定器1台は、5mm×5mm×500mmのプラスチックシンチレーター4000本と2inchの光電子増倍管(PMT)32本を用いて500万円(シンチレーターの切断研磨費用も含めると700万円)で製作できる。位置分解能0.02mmを得るには直径0.2mmのSF200kmとPMT10本の追加が必要で、追加費用500万円(1500万円)が必要になる。以上の価格計算では、直径1mmのSFは50万円/km(値上げなし)、PPDは読み出し回路も含めて1個1万円、PMTは1本10万円で評価している。 SFやシンチレーター棒とPPDやPMTとの間は透明光ファイバー(三菱レーヨン社の商品名エスカ)で接続するが、直径1mmエスカの価格は3万円/kmでSFよりはるかに安価である。
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