2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13528
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 教授 (00233974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 康浩 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80198928)
小澤 久 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (30371743)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 斑点ぬれ雪 / 白い斑点模様 / ぬれ雪 / 積雪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,透水性のない路面などに積もった雪が濡れ雪となった際に生成される白い斑点模様の生成原理と成長メカニズムを解明するとともに,その結果作られる斑点模様の2次元および3次元空間の特徴を明らかにすることで,雪・水・空気という身近な物質に潜む非平衡熱力学現象を解明することを目的とする。具体的には,1.積雪中に白い斑点模様が形成される条件の解明,2.白い斑点模様の成長メカニズムの解明と理論モデルの構築,3.白い斑点模様の2次元分布の特徴の解明,の3つの課題に取り組んでいる。 2015年度は,斑点ぬれ雪に関する公開講演会を以下の講演者,講演タイトルで実施した(2015年6月12日に北見工業大学にて実施)。1)斑点ぬれ雪とは何か? 亀田貴雄,2) 斑点ぬれ雪の平面分布の特徴 原田康浩,3) 新潟市での斑点ぬれ雪の観察 藤野丈志,4) 斑点ぬれ雪の人工生成実験 納口恭明,5) 斑点ぬれ雪の物理 小澤 久。ここでは各自30~40分程度で,話題提供をした。 もう一つの2015年度の活動としては,科学研究費で購入したインターバルカメラを北見市,新潟市,金沢市,東広島市に設置し,斑点ぬれ雪の生成過程および消滅課程を調べた。その結果,金沢市および新潟市にて斑点ぬれ雪生成過程と消滅過程を世界で初めて記録することができた。2015年11月27日の金沢市での観測結果では,1)斑点ぬれ雪の白い斑点部は約1時間半程度で生成される,2)斑点生成時には近くの斑点と合体するため,水平方向に移動する,3)斑点消滅時には,水面に浮いている氷が徐々に融け,その結果,内部の空気が抜けて消滅していくこと,が新たに分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,1.積雪中に白い斑点模様が形成される条件の解明,2.白い斑点模様の成長メカニズムの解明と理論モデルの構築,3.白い斑点模様の2次元分布の特徴の解明,の3つの課題に取り組んでいる。これらの課題に関して,2015/16年冬季に金沢市および新潟市で撮影された斑点ぬれ雪の形成過程の動画により,かなり明らかにすることができてきている。ただし,この動画の解析が現時点では不十分なので,該当の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2015/16年冬季の観測成果の状況報告会を北見工業大学にて開催し,研究メンバー内での観測成果の共有化を図る。また,斑点ぬれ雪の生成過程および消滅過程についての動画の解析を進め,白い斑点模様の生成メカニズムの解明と理論モデルの構築を実施する。 また,2016/17年冬季の観測を北見,新潟,金沢にて実施し,斑点ぬれ雪の生成過程の動画をさらに撮影する。
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Causes of Carryover |
斑点ぬれ雪は冬季に形成されるため,2015年度の観測は2015年11月から2016年3月に実施した。そのため,斑点ぬれ雪の画像を解析するためのパソコンの購入が2015年度内に間に合わなくなってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
斑点ぬれ雪の画像解析のためのパソコンを購入予定である。
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Research Products
(2 results)