2015 Fiscal Year Research-status Report
海底活断層の活動性解明のための離水岩石海岸地形の露出年代測定
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15K13577
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 助教 (90356452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松多 信尚 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40578697)
廣内 大助 信州大学, 教育学部, 教授 (50424916)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海底活断層 / 海岸地形 / 露出年代測定 / 地形発達史 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線核種を利用した露出年代測定を利用した、海底活断層による海岸隆起イベントの年代決定手法を確立するため、文献収集を行い、本研究の目的に適う調査地点を研究協力者と共に検討した。その結果、1923年大正関東地震・1703年元禄関東地震に代表される、相模トラフ沿いに繰り返し発生してきた巨大地震に伴う地震性地殻変動によって縄文海進期以降複数回の隆起が生じ、その時期がヤッコカンザシなどの生物遺骸による年代測定や海岸平野の離水時期の検討によって比較的明らかとなっている房総半島(中田ほか、1980;茅根・吉川、1986; 宍倉、2003など)が調査適地であると考えた。この検討結果を踏まえて、房総半島南部に発達する完新世離水岩石海岸地形において、調査地点選定のためのパイロット的な地形調査(地形分類図の作成および現地調査)を研究協力者と合同で2回実施した。その結果、館山市および南房総市の2地点にて、既往の調査結果により推定された隆起イベント年代と比較検討が出来る適地を見出した。次年度以降に、これら2地点において高精度ディファレンシャルGNSS測位を利用した地形測量の実施および詳細な地形グリッドデータの作成を行い精密な岩石海岸の地形分類図を作成するとともに、露出年代測定によって、海岸地形発達史を考慮した離水イベント認定を行い、既往研究で推定された房総半島南部の隆起イベント時期との比較検討を通じて、露出年代測定による岩石海岸地形の離水年代推定の有効性と課題を検討する。本年度はこれに着手するための準備過程を遂行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に既往調査との比較検討を行うための調査地点を選定できたため、研究は概ね順調に進めることが出来たと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
房総半島最南端部の完新世隆起海岸地形を対象に、精密地形測量による地形分類作成・サンプル採取・地表面の露出年代測定を実施し、既往研究による離水年代との比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初計画ではサイト調査の後にサンプリング・サンプル処理まで行う予定であったが、年代測定を行う独立行政法人日本原子力研究開発機構との機関協定が延期となったため、年代測定に必要な物品費、日本原子力研究開発機構への出張費および試料処理を行う学生への謝金に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
独立行政法人日本原子力研究開発機構との機関協定は今年度に結ばれる予定であるため、年代測定のための前処理作業および年代測定を含む上記の作業については次年度に行うこととした。
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