2017 Fiscal Year Annual Research Report
Risk management of rock avalanche using index of chemical weathering
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15K13579
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大和田 正明 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50213905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 淳志 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (60379691)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 花崗岩 / 化学的風化 / 風化過程 / 変質作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は花崗岩体内に発生した土石流発生箇所の地質学的・岩石学的特性を検討した上で,特に化学的な変化とその原因について検討した.花崗岩体はマグマの貫入から固結に至る過程で,マグマ起源の熱水や地下水との熱交換で生じた熱水を伴う.こうした熱水はマグマ固結後に岩体内を循環し,変質鉱物を形成する.変質鉱物の形成は一般に地下で起こり,数百度の温度条件下で反応が進行する.この過程は,地表付近で進行する風化作用とは異なる.すなわち,花崗岩形成後の化学的・物性的変化は地下でマグマの固結直後から始まる.そこでマグマ固結後から強風化花崗岩(真砂土)に至る化学組成の変化を検討するため,CN(CaO+Na2O), A(Al2O3), K(K2O)(モル)を端成分とした三角図(CN-A-K図)で検討した.その結果,1)風化の進行とともにCNが減少する,2)はじめにKが増加し,その後CNが減少する,3)最初CNが減少し,最後にKが減少する,3パターンの変化傾向が認められた.この過程をさらに検討し,熱水による変質作用と風化作用を区別するため,花崗岩と風化花崗岩の顕微鏡観察とXRDで鉱物を同定し,熱水変質で生じた鉱物の特定を試みた. 1.パターン1では,花崗岩と風化岩同じ鉱物組み合わせを示すが,風化岩はクラック密度が増加する.パターン2(はじめにKが増加)の斜長石はセリサイト化が著しい.すなわち,熱水中のKと斜長石が反応したことを示す.パターン3の花崗岩と風化岩は,顕微鏡で見る限りパターン1と同じである.しかし,強風化岩ではKが減少することから,恐らく,強風化に至る過程でカリ長石のカオリン化が進行したと考えられる. 2.土石流発生頻度の高い箇所では,パターン2を示す化学的変化が他のパターンよりも卓越する.このことは,岩盤強度を劣化させる要因として,地下における熱水変質の影響が大きいことを示唆する.
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Research Products
(11 results)