2015 Fiscal Year Research-status Report
酸化チタン-炭化ケイ素ハイブリット型マイクロリアクターによる光付加反応の開発
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15K13651
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
山下 敏明 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (80191287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化チタン / マイクロリアクター |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体光触媒の研究開発は、太陽電池および水の分解を含め分解反応を目的としたものが主であり、可視光応答化に向け精力が注がれている。一方、光触媒を積極的に有機合成反応に用いた例は少ない。新規合成反応の構築が触媒や試薬の改良で限界がある場合は、これまでにない新しい反応場が必要になる。そこで本研究では、スパッタ法により酸化力の高いTiO2と還元力の高いSiCの薄膜をマイクロリアクターに組み込み、それぞれの触媒より発生するラジカルイオン種を基にした新規の光有機合成反応の開発を目的としている。本反応が達成できれば、従来のバッチ中でのラジカルイオン種の発生方法とは異なるため、有機合成における半導体光触媒の新たな活用法、また、マイクロ化学システムの発展に寄与できる。そこで、まず、半導体光触媒を修飾した流路を有するマイクロリアクターを作成するために、高周波マグネトロンスパッタ装置を用いて、ガラス基板上に異なる膜厚のTiO2薄膜を成膜した。各TiO2薄膜は膜厚測定および表面構造の測定を行い、その光触媒の評価を行うために、UVおよびXRD測定を行った。続いて、本薄膜を用いてニトロベンゼン類の光還元反応をマイクロリアクター中で行い生成物の収率や選択率により各TiO2薄膜の光触媒活性を調べた。また、Ptを異なる条件でTiO2薄膜上に担持させ、アルコール水溶液の光照射による水素ガスの発生、ならびに、アルケン類の光還元反応をマイクロリアクター中で行い、各Pt 担持TiO2薄膜の評価も行った。これらの結果より、本方法により作成したTiO2薄膜が光触媒としてマイクロリアクター中で十分に機能することが明らかになった。また、異なる基板を用いて様々な方法によりマイクロリアクターを作成することにも成功した。現在は、もう一つの半導体光触媒SiCの成膜を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、今回作成する二つの半導体光触媒のうちTiO2薄膜の成膜とその評価はほぼ終了したので、現在もう一つのSiCの成膜を行っている。当初の計画では、SiC薄膜の成膜まで終える予定であったが、TiO2薄膜の成膜とその評価に時間を費やしたため、若干進行が遅れている。しかしながら、TiO2薄膜の成膜とその評価までは順調であり、そこで得られたノウハウは蓄積されているので、現在行っているSiC薄膜の成膜が終了すれば、その評価は順調に行えると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
SiC薄膜の評価を終えた後、当初の計画通り、二つの半導体光触媒を組み込んだマイクロリアクター中で第1級アミンと芳香族置換アルケンを用いた光反応を行う。その中で、犠牲試薬の検討、基質の検討、流速についての検討、溶媒の検討、濃度についての検討、温度について検討などを行う予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定であったマイクロチップが自作可能になったため、既製品を購入する必要がなくなったことや、逆に、研究の途中において、研究を遂行するの必要な物品が生じ、それらを購入したため、若干の余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通り研究を遂行する中で、薬品等の購入に充当する予定である。
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