2015 Fiscal Year Research-status Report
創発現象としての太陽電池モジュール内高温ホットスポット形成のモデル化
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15K13935
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
南野 郁夫 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40647723)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 太陽光発電システム / ホットスポット / 部分陰 / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎データ計測として、既に名城大学の山中教授により確認されている部分陰による高温HS(ホットスポット)形成方法の再現実験を行った(2015年11月の学会で発表済)。その中でモデリングに必要なアバランシェ降伏特性に関する新たな知見を得た。また、IRカメラの温度分布画像以外に電気的なI-V特性を評価した。HSの動き情報としての過渡特性や周波数特性の評価のための実験は、現在計画中である。 FTA解析・検証実験については、定量的関係が不確実な現象であるHSが火災に至るメカニズム仮説の整理としてFTA解析を行い、部分陰以外の要因(誘導雷などの雷害、断線によるアーク放電)も新たに加える知見を得た。断線については宇部高専の屋上で実際に発生した断線故障モジュールを使いTDR(Time Domain Reflectometry)によるインターコネクタ断線検出の実験を行った(2015年11月の学会で発表済)。FTAに対し逆向きの解析であるFMEA(またはETA)とメカニズムの抜け漏れを補完することは今後の検討課題である。 非線形数理モデル作成については、山口大学の三池理事・副学長の非線形科学と、熊本大学の松永教授との共同研究で得た熱プラントの知見(熱干渉を陽に表現する温度差モデルTDM(Temperature Difference Model)の例がある)を活用し、HS形成時に生じる高温点の動き(ダイナミクス)の本質的特徴を陽に表現するモデルの構築に取り組んでいる。HS再現非線形数理モデルについてはセルオートマトン活用を検討し、2015年3月のワークショップ(非線形科学と時間学の交流)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している部分もあれば、遅れている部分もあり、平均するとおおむね順調に進展しているといえるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず時間変動の再現実験と、その特性の評価を行う。その後、HS温度シミュレーション予測のための提案モデルを完成させ、関連の強い物理量(電圧、電流、温度の時間変動値、周波数などの計測が容易な情報の中から必要最小限の情報)を元に提案モデルで高温HS温度が予測できそうかをシミュレーションで評価する。 つぎにモデル検証実験としては高温HSモデルの予測温度が実際の現場でどの程度の精度で利用可能かを確かめる。種々の条件で高温のHSを形成させ、その時のHS温度を提案モデルにより予測する。特に、支配的・本質的であろうと予想した要因が、どの程度有効だったかについて確認する。そのシミュレーション結果と実験結果との比較検討による精度評価から課題を抽出し、モデルの改良を重ねる。
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Causes of Carryover |
HSの動き情報としての過渡特性や周波数特性も評価が遅れており、そのための現象再現の実験費用が使用できなかったから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れているHSの動き(過渡特性や周波数特性)の再現実験などを次年度実施する計画であるため、次年度に遅れて使用する。
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Research Products
(3 results)