2015 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリシリカ反応の膨張を活用した長期微膨張型高靱性コンクリートの開発と構造利用
Project/Area Number |
15K14014
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
六郷 恵哲 岐阜大学, 工学部, 教授 (40127155)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルカリシリカ反応 / 膨張 / 高靱性コンクリート / 繊維補強 / 静的破砕剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては,高靱性繊維補強コンクリート(HPFRCC)と反応性骨材などの膨張性材料とを組み合わせることにより,長期にわたって微膨張性能を有するHPFRCC(長期微膨張型HPFRCC)を開発し構造利用するとともに,長期微膨張型HPFRCCの膨張性能を簡便に評価するための試験方法を提案することを目的としている。 場所打ちRC杭の杭頭処理用の粒子状静的破砕剤は,粒度と添加量を適切に定めてHPFRCCに混入することにより,セメントが硬化した後に損傷を与えずに膨張挙動を示す膨張材料として利用できることを明らかにした。 コンクリート円柱供試体(直径150mm,高さ150mm)に内径60mm程度の孔を,円柱供試体側面から所定の位置(例えば5mm刻みに15~45mm)に設け,長期微膨張型HPFRCCを孔に充填して肉厚部分にひび割れが発生する時間を計測することにより,材齢と膨張エネルギーの関係を計測する試験方法を提案した。 常温(20℃)であっても,湿潤状態にあれば長期微膨張挙動を示すHPFRCCを,膨張剤(主に材齢2週程度まで),粒子状静的破砕剤(主に材齢数ヶ月まで),反応性骨材(さらに長期)を組み合わせて使用することにより作製できることを明らかにした。 粒子状静的破砕剤を混入(本研究では100kg/m3)した膨張型HPRFCCにより作製した模擬膨張骨材(寸法15mm程度)を粗骨材として混入したコンクリートを作製することで,ASR ひび割れの様な立体亀甲状のひび割れを有するコンクリート供試体を2~3週間で造ることができた。ひび割れを生じさせたコンクリート供試体を,ひび割れへ注入するエポキシ樹脂の注入性能の評価試験に利用し,その有用性を明らかにした。
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