2015 Fiscal Year Research-status Report
リバースエンジニアリングの地盤工学的利用~地盤プロトタイプの作製と力学評価~
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15K14034
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Research Institution | Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
水谷 崇亮 国立研究開発法人港湾空港技術研究所, その他部局等, その他 (70371763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 聡 国立研究開発法人港湾空港技術研究所, その他部局等, その他 (20748305)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3次元造形 / X線CT / 土粒子配列構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地盤供試体が持つ土粒子の配列構造を,X線CTおよび3次元造形装置を用いて復元し,微視的な構造の違いによる影響を考慮可能な新たな力学特性評価手法の確立を目的とするものである. 初年度には,粒径5~10mm程度の礫材を対象として,これを三軸モールドに充填し,X線CTによる画像取得および三軸圧縮試験を実施した.得られたX線CT画像を適切に画像処理し,処理された画像をもとに地盤レプリカを作製した.地盤レプリカについて,同じくX線CT試験および三軸圧縮試験を行った.得られた2試料のX線CT画像を用いて粒子解析を実施した.画像上で識別された個々の粒子の各パラメータ(形状,体積,長軸・短軸傾き等)を,両試料で比較して,復元による幾何学的な再現性を検証した.粒子解析やX線CT画像の観察結果から,プロトタイプ供試体の粒子および空隙の形状および配置が,3次元造形により良く再現できることを明らかにした. 一連の実験より,復元された地盤レプリカが,もとの礫材同様に拘束圧依存性やダイレタンシー挙動といった粒状体特有の力学特性を有することを確認した.これは,3次元造形によって,幾何学的な形状や配置だけでなく,粒状体の力学特性を再現できることを意味している.また,地盤レプリカを複数個作製し,同条件で実施した三軸試験結果から,粒子配列が等しく復元されることによって,粒子配列が異なる場合と比較して,応力ひずみ曲線のばらつきが小さくなるという結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度には,地盤レプリカを作製するためのデータ取得(X線CT試験および適切な画像処理方法の検討)および試作的な造形を予定していた.実際には,「研究実績の概要」の通り,次年度に予定していた地盤レプリカを用いたX線CT試験および三軸圧縮試験の実施まで進むことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」の通り,三軸圧縮による強度試験については,ほぼ当初の予定を終了した.土粒子配列構造による影響は,前述の強度問題だけでなく,その他様々な地盤工学問題に当てはまる.そのことから,現在,本手法の透水問題への適用を検証している.また,地盤のような粒状体を取り扱う個別要素法(DEM)等数値解析手法との結果の相互検証を進める予定である.
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Causes of Carryover |
当初,研究年度2ヶ年で必要な3次元造形材料の一括購入を予定していたが,当該材料に1年程度の消費期限が定められていたことから,複数回に分けて購入することとしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要分の3次元造形材料を引き続き購入する.当初予定より研究が進んでいるため,その成果公表に充てる(学会参加,旅費,投稿料等).
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Research Products
(3 results)