2016 Fiscal Year Annual Research Report
Dissolution rate prediction using fractal limestone model to rapidly reduce of CO2 with limestone layer
Project/Area Number |
15K14039
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中屋 眞司 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (70313830)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 二酸化炭素 / 石灰岩 / 地下水 / 年代測定 / 溶解 / 酸性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然環境下の石灰岩帯水層の数年~数十年スケールの溶解速度D1とCO2消費速度D2を調べるため、沖縄本島南端域(米須地区・仲座地区・慶座地区)および、宮古島の琉球石灰岩層中の多くの井戸水について調査した。また、野外の琉球石灰岩から円柱コアを抜き出し、X線CT画像解析を実施した。その結果、地下水の滞留時間tは、5~25年、溶存CO2ガス濃度(pCO2)は、1~2%であった。 仲座地域の地下水では、tが長くなると、Ca濃度の上昇と、pCO2が低下するとともに、pHが上昇し、石灰岩鉱物のカルサイトおよびアラゴナイトの飽和度(SI)が上昇している。石灰岩の溶解が進行している。宮古島地域では、tが長くなると、PCO2が増加するとともに、pHが低下し、鉱物のSIが低下している。地下水中に石灰石の沈殿・生成が進行するとともに、酸性化が進行している。一方、米須地区、慶座地区は、滞留時間が15年を境にPCO2、pH、石灰岩の溶解・沈殿の挙動が反転している。 琉球石灰岩コアのCT画像解析の結果、連続する空隙割合(空隙率n)は0.069で、空隙の約77%が連結している。琉球石灰岩の空隙体積Vおよび空隙の表面積Sとも、分布はフラクタル(自己相似性)であった。 D1(モル/cm2/年)およびD2は、フィールドで得られた地下水中のCa2+およびHCO3-濃度の時間変化R(モル/L/年)と、空隙体積に対する空隙表面の割合である比表面積s(cm2/L)から、D=R/sとして決定した。Dに対する溶存CO2ガス濃度の依存性については、課題として残った。CaCO3の溶解量P1(モル/年)およびCO2消費量P2は、P1=D1・V・s, P2=D2・V・s となる。天然環境では、およそD1=0.00000000121, D2=0.00000000228 (モル/cm2/年), s=29800(cm2/L)であった。
|
Research Products
(3 results)