2015 Fiscal Year Research-status Report
サーモカメラを用いたサイズ別流木輸送量の自動連続モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
15K14043
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
二瓶 泰雄 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60262268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲吉 信人 東京理科大学, 理工学部, 講師 (90706475)
大槻 順朗 東京理科大学, 理工学部, 助教 (10618507) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 流木 / サーモカメラ / 河川 / 画像解析 / 海ごみ / 洪水氾濫 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)新しいサイズ別流木輸送量モニタリング手法の基本的枠組みの開発:可視・熱画像同時撮影用サーモカメラに基づく現地河川水面の垂直撮影とその動画転送技術、流木抽出用の画像解析技術を融合したサイズ別流木輸送量自動連続モニタリングシステムの基本的枠組みを新規に検討した。ここでは、昼夜連続計測を自動的に可能とするために、可視・熱画像同時撮影用サーモカメラを橋梁上(道路橋や水道橋など)に設置し、河川水面を垂直に撮影した。 (2)本システムの現地実証試験の実施:本モニタリングシステムの適用性・汎用性を検討するために、大河川の江戸川と中小河川の大堀川において本システムによる流木輸送量モニタリングを行った。これと平行して、精度検証用データ取得のために、平常時や出水時に、予めサイズを計測した流木を水面に浮かべて流し、本システムの画像解析結果と比較した。このような検証用データと本システムの観測結果を比較し、本システムによる流木輸送量計測精度を検証した。 (3)画像解析技術の改良:(2)の現地実証試験結果に基づいて、本モニタリングシステムの高度化・改良した。ここでは、画像解析技術のうち、二値化法とエッジ抽出法(sobel filter)に基づく漂流ごみ抽出技術を検討し、適宜、流木輸送モニタリング用に改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の申請通り、(1)新しいサイズ別流木輸送量モニタリング手法の基本的枠組みの開発に着手できた。また、(2)本システムの現地実証試験の実施や(3)画像解析技術の改良の3項目に関して着実に検証を進めた。その結果、 ①昼夜関係無い熱画像を撮影可能なサーモカメラを用いて,熱画像による河川水面上の漂流ごみの判別ができるかどうかを検証した.ここでは,現地観測(大堀川・江戸川)及び室内試験を通して,同時撮影される熱画像と可視画像の比較やいくつかの画像解析を通して,熱画像に対する漂流ゴミ判別精度を調べた。 ②現地観測の結果、水表面とごみ表面の温度差は1~2℃に維持され,画像解析結果によりごみ判別が十分可能となっていることが分かった。なお,sobel filterには一部に大きな誤差が含まれるが,これは閾値の設定に問題があり,今後修正する。 これらの状況を鑑みて、(2)と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)本システムの現地実証試験の継続:本モニタリングシステムを用いて、前年度と同じ江戸川等における流木輸送量モニタリングを継続して実施する。合わせて、流木回収量データの収集や橋上からの検証用観測を実施し、本モニタリングシステムの検証用データを数多く取得する。これらのデータと本システムの観測結果を引き続き比較、検討し、本モニタリングシステムによる流木輸送計測性能や計測限界、摘要範囲を検証する。 (2)本モニタリング技術の改良・高度化:前年度に引き続いて、画像解析技術を中心とした本モニタリングシステムの改良・高度化を試みる。そのため、室内実験を行い、様々な環境条件(気温、水温、昼夜)を変えて、本システムによる流木判別精度を検討する。 (3)本モニタリングシステムの使用マニュアル及び最終報告書の作成:これまでの研究成果に基づいて、本モニタリングシステムに関する計測精度や摘要範囲に関して整理し、その使用マニュアルを作成する。また、全ての得られた結果を取りまとめて、最終報告書を執筆する。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通り使用しており、差額に関しましては、来年度の物品費として物品を購入する際に使用する予定にしております。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として物品を購入する際に使用する予定にしております。
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Research Products
(7 results)