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2015 Fiscal Year Research-status Report

トリチウムが社会に受け入れられるための学際的研究体制の構築

Research Project

Project/Area Number 15K14289
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

鳥養 祐二  富山大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80313592)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 丸茂 克美  富山大学, その他の研究科, 教授 (20358063)
近藤 隆  富山大学, その他の研究科, 教授 (40143937)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywordsトリチウム汚染水 / 海洋放出処分 / 社会的合意
Outline of Annual Research Achievements

福島第一原子力発電所の事故では、トリチウムの含んだ汚染水が大量に発生しつづけているが、処分法がないため、現在は一時保管しているのみである。事故により発生したトリチウム汚染水は、科学的に判断すれば希釈後に海洋放出することが可能であるが、現時点では社会が海洋放出に理解しないため、海洋放出は実行不可能である。そこで本研究では、トリチウム理工学、環境学、生物・医学を専門とする放射線の研究者が集まり、トリチウム汚染水の海洋放出の問題点を明らかにすると共に、その問題点を解決するための研究者の学際的なコミュニティー形成を行う。海洋放出の利点、問題点の明確化と情報発信を行い、汚染水処理に関する信頼の獲得を目指す。これにより国難といえる福島第一原子力発電所事故で発生したトリチウム汚染水の問題を解決する。
この目的に対し平成27年度は、トリチウム汚染水の海洋放出を検討するのに必要な知識を有する人材のピックアップと研究会・意見交換会を開催を開催した。その結果、トリチウム理工学の専門家、放射線の生物影響の専門家、放射線の専門家がグループを組み、トリチウムの生物影響研究を行うことが合意された。そこで、これらのグループを代表して申請者が、基盤研究(B) “トリチウム汚染水の海洋放出処分に向けた社会的合意形成のためのトリチウム生物影響研究”を提案するに至った。これとは別に、トリチウムの専門家、環境放射線の専門家、海洋の専門家が集まり、トリチウム汚染水を海洋に放出処分したときの人体への到達経路を明らかにするための検討会を立ち上げている。これについては、別途予算の申請を健闘している。これらの方策により一日でも早い福島の復興を目指している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成27年度は、トリチウム取扱の専門家である申請者が中心となり、富山大学内に在籍する、放射線生物学の専門家、放射性物質取扱の専門家と研究会を開催し、トリチウムが社会に受け入れられるために必要な生物影響研究がどの様にあるべきか検討した。その中で、現状のトリチウム生物影響の現状が報告され、福島第一原子力発電所の事故で放出されたトリチウムの濃度程度では人体に影響がないことが確認された。しかし、どの程度まで安全、どの程度から危険という比較的高い線量の研究が研究施設の関係で行われておらず、トリチウム汚染水の海洋放出処分を行うにはデータが不十分であると判断した。そこで、富山大学内のトリチウムの専門家、放射性生物影響の専門家、放射性物質取扱の専門家がグループを組み、上記問題解決のために基盤研究(B) “トリチウム汚染水の海洋放出処分に向けた社会的合意形成のためのトリチウム生物影響研究”を申請した。その結果、申請は採択され平成28年度から5年間かけてトリチウム汚染水の海洋放出を見据えたトリチウムの生物影響研究を行うこととなった。以上のように、平成27年度の活動により、トリチウムが社会に受け入れられるための学生的な協力体制が、放射線生物影響という切り口の中で作成された。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度の活動により放射線生物影響研究分野で学際的な研究体制の構築が行われたが、トリチウムが社会に受け入れたれるためには、環境に放出されたトリチウムがどの様な経路をたどり人体に到達するか、人体に到達するまでの間に希釈や濃縮によりどれだけの濃度のトリチウムが人体に到達するかを明らかにする必要がある。これを明らかにするためには、トリチウムの専門家と、環境の専門家、環境放射能の専門家、環境瀬宇仏学の専門家、海洋の専門家、農学の専門家等、幅広い知識を結集する必要がある。そこで、これら環境動態の知識を持つ研究者と研究会や意見交換会を開催し、新しい学際的研究協力体制の構築を目指す。最終的には、放射線生物影響と環境動態を取りまとめ、トリチウム汚染水の適切に処理に向けた提言を行う予定である。

Causes of Carryover

申請者は富山大学水素同位体科学研究センターに勤務していたが、平成28年より茨城大学大学院理工学研究科に移動することが決まり、計画に一部変更が余儀なくされた。それに伴い予算に執行計画にも変更が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

茨城大学に移動したために、一部計画に遅れが出ている部分もあるが、計画達成に向けた行動は行っており、平成27年度に行えなかったことは、平成28年度に行う予定である。

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Published: 2017-01-06  

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