2015 Fiscal Year Research-status Report
原子力・放射線災害初動対応への船舶の活用(海からのアプローチ)に関する基礎研究
Project/Area Number |
15K14292
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小田 啓二 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (40169305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 吉治 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (10174567)
石田 廣史 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (60031473)
若林 伸和 神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60242351)
岩崎 寛希 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (70149970)
宮本 昌明 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70278604)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 原子力災害 / 練習船 / 緊急時放射線モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
テーマ1(放射線防護対策手順の検討)では、船舶に放射線施設としての機能を付加するために必要な機器・機材のうち、放射線測定器一式と防護機器の一部の選定を行った。前者では、船外高感度モニター、船橋に設置する表示機付ポータブルモニター、船内各所の線量率を測定するシンチレーション式サーベイメータ、汚染検査用GMサーベイメータ、核種分析用電子冷却式半導体検出器、及び記録式個人線量計とした。また、平成28年3月に開催された日本原子力学会において本プロジェクトを紹介し、専門家としての参加を要請した。 テーマ2(災害時の船舶運用システムの検討)では、大島商船高専チームが中心となり、広島商船高専、東京海洋大、鹿児島大を訪問し、本プロジェクトへの理解と船舶ネットワークへの参加を依頼した。また、大島商船高専において、高専生及び船舶職員に対する放射線レクチャーを試行した。 また、発災したサイトに近接した場合、気体状・揮発性放射性核種を含むプルームの存在を仮定して、その形状(厚さ・広がり)や高さと船舶内各所における線量率との関係を、モンテカルロコードを用いて計算した。避難スペースとしては海面下となる機関制御室や居室が適していること、及び船橋については上部甲板に鉛シートを敷くことで約半分に低減できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
船舶ネットワークについては、海事・商船系大学・高専だけでなく、水産系大学へもアクセスした。また、搭載する測定器の選定も完了に近づいている。さらに、平成28年3月の神戸大学練習船深江丸の研究航海(神戸~塩竃)に参加し、個人線量計やサーベイメータの動作確認も終了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
通信基地としての機能の確認を行うこと、及び船舶と専門家の各々のネットワーク作りを推進するとともに、ウェブを通した登録システムの導入を図る。また、昨年度確認した測定器以外の機器を深江丸或いは大島丸に搭載して、海上での動作確認を行う予定である。 最後に、2年間の検討の結果洗い出された課題とその解決案をまとめる。
|
Causes of Carryover |
サーベーメータは購入予定であったが、付加機能を持つ機種が発売予定であるという情報を得、購入を次年度に延ばす判断を行った。また、全国の船舶保有機関への説明訪問数が予定を下回ったため、旅費使用が少なかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
サーベイメータの基本的機能はほぼ満足しているので、決定次第購入する予定である。また、船舶保有機関への訪問に合わせて、近くに原発サイトがある場合には、自治体の防災担当者との意見交換を追加する予定である。
|
Research Products
(3 results)