2016 Fiscal Year Annual Research Report
Optogenetical approach of striatal direct- and indirect-pathways for learning
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15K14320
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
木村 實 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (40118451)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | システム神経生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺伝子工学や光遺伝学の最先端技術を導入した遺伝子改変ラットを用いて、大脳基底核の直接路、間接路系が意志決定と学習機能に果たす役割を明らかにすることである。27年度の実績を踏まえて研究を進め、以下の実績を挙げた。 1.ドーパミンD2受容体を含有する細胞にCreを発現するトランスジェニックラット(Drd2-Cre rat)、AAV-ChR2, AAV-ArchTによる光遺伝学と32チャンネル多点記録によって、線条体の間接路細胞の活動を電気生理学的に同定した(n=42)。前肢を使ったレバー押し・引きの中、報酬確率(80%と20%)の高い行動を試行錯誤で選択する課題において、レバー押し・引きを行った後に無報酬を知らせる音(R-)で放電を増大させ、報酬を知らせる音(R+)で放電を減少させることを発見した。更にR-応答は、次の試行で行動選択を変更する場合に大きいことが判明した。 2.Tachykininを含有する細胞にCreを発現するトランスジェニックラット(TAC1-Cre rat)と光遺伝学によって、線条体の直接路細胞の活動を電気生理学的に同定した(n=52)。TAC1細胞は、レバー押し・引きを行った後に報酬を知らせる音(R+)で放電を増大させ、無報酬を知らせる音(R-)で放電を減少させることを発見した。 3.ラットが行動課題を行っている時に、青色(462nm)レーザー光をガイドチューブによって線条体細胞へ照射した。Drd2細胞のR-応答を光で増大させると、次の試行で行動選択を変更する確率が有意に増大し、TAC1細胞のR+応答を増大させると、次の試行で再び同じ行動選択をする確率が増大した。 本研究によって、間接路と直接路が対照的、補完的な様式で行動結果を評価し、望ましい行動選択に導くことが明らかになった。
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